東証プライム・名証プレミア上場で電力用がいし大手の日本ガイシは、大容量蓄電システム「NAS(ナトリウム・硫黄)電池」の製造・販売を終了すると発表した。2002年に世界で初めて商品化し、長時間・大容量蓄電を実現した“次世代電池の旗手”は、激しさを増す電池市場の波に飲まれた格好だ。
NAS電池は、長寿命かつ大量の電力を安定して蓄えられる特性から、再生可能エネルギー拡大の切り札として期待された。だが、開発の先行メリットを生かしきれず、高性能ながら高コストという構造的課題が普及を阻んだ。近年は原材料価格の上昇が追い打ちをかけ、さらに価格競争力を武器に急伸するリチウムイオン電池との競合が本格化。採算改善の見通しが立たないとして、事業撤退を決断した。
同社は新規製造を停止し、既受注分は在庫で対応。最終出荷は2027年1月を予定する。また、この方針に伴い、約180億円の特別損失を計上する見込みだ。
再エネ拡大が叫ばれる中、独自技術で世界の表舞台に立った国産電池は、静かに歴史の幕を下ろす。だが、同社は次なる素材・エネルギー関連分野へ経営資源を振り向けるとしており、新たな成長戦略の行方が注目される。
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