太宰府市・桶田大蔵市長、市職員の飲酒自転車不祥事でM-1グランプリ3回戦辞退 信頼回復を優先へ

2025年11月3日、福岡県太宰府市の桶田大蔵市長は、市職員が飲酒した状態で自転車を運転し、道路交通法違反で警告を受けた不祥事を受け、自身がエントリーしていた「M-1グランプリ2025」3回戦への出場を辞退することを発表した。市長は「行政の信頼回復を最優先にする」と述べ、今後は公務に専念する姿勢を示した。

■ 市職員の不祥事が発端

問題となったのは、太宰府市の男性職員が飲酒した状態で自転車を運転し、警察から道路交通法違反(酒気帯び運転)にあたるとして厳重注意を受けた事案。けが人や物損事故はなかったものの、公務員の服務規律に関わる不適切行為として、市が事実関係を調査していた。

桶田市長は3日午後、記者団の取材に対し「職員の軽率な行動が市政への信頼を損なう結果となり、市長として責任を痛感している」と述べた上で、出演を辞退する判断を下したと説明した。

市によると、当該職員は勤務外での行為だったが、市長は「市民に説明責任を果たす立場として、公私を明確に区別すべきであり、いま笑いの舞台に立つべきではない」とコメントした。

■ M-1出場辞退の経緯

桶田市長は元お笑い芸人として活動していた経歴を持ち、市長就任後も公務の傍ら地域振興の一環として漫才コンビを再結成。「行政とエンタメの融合」をテーマに地域イベントなどに出演していた。

M-1グランプリ2025では、1回戦・2回戦を通過し、3回戦への出場が予定されていたが、今回の不祥事を受けて「市長の立場としてふさわしくない」と判断し、出場を辞退したという。パートナーの高田課長(市職員ではなく、福岡の芸人として活動)が同意した上での決断とされる。

市長は「本来は地域に明るさを届けたい一心だったが、結果的に市政の信頼を揺るがす事態になった。深く反省している」と述べた。

■ 市政への影響と対応

太宰府市では、市職員の不祥事を受け、内部での服務規律徹底に向けた研修強化や再発防止策を検討中。関係者によると、当該職員に対する懲戒処分についても協議が行われており、厳正な対応が取られる見込み。

また、桶田市長は同日の臨時会見で「行政の透明性と公務員倫理の再構築を急ぐ」と強調。信頼回復の一環として、自身の任期中に予定していた選挙費用の削減策を前倒しで実施する方針を明らかにした。市長は「行政の負担を減らし、市民への説明責任を果たすことが最優先」と述べた。

市政関係者の一人は「今回の辞退は、個人よりも組織の信頼を守るという政治的判断。市民感情を考慮すれば、やむを得ない対応だった」と語る。

■ 市民やSNS上の反応

太宰府市民の間では、市長の辞退をめぐり賛否が分かれている。市役所前で取材に応じた市民の男性(50代)は「誠実な判断だと思う。軽率な職員の行為とは別に、市長が信頼を守ろうとする姿勢は評価できる」と話す一方で、別の女性(30代)は「M-1で市の名前を広めてくれる貴重な機会だった。残念だが、責任感の表れとも受け取れる」と語った。

SNS(X)上でも話題となり、「潔い決断」「芸人時代の情熱と行政の責任感を両立しようとする姿勢がすごい」といった肯定的な意見のほか、「職員の不祥事で市長が舞台を降りるのは過剰反応ではないか」とする見方も見られた。

■ 信頼回復と今後の展望

桶田市長は、今後は行政改革と地域振興策に集中する方針を示している。市長は「笑いを通じて地域を元気にするという理念は変わらないが、まずは市民の信頼を取り戻すことが先決」と述べた。

太宰府市では今後、行政の説明責任を強化するため、市長自身が定期的に市民向けの報告会を開催する計画も浮上している。市長室関係者によると、「市民との距離を再び縮める機会として、信頼回復を実感してもらえる場にしたい」という。

一連の対応は、市政の倫理的健全性を再確認する契機となる可能性がある。市民や地域社会に向けた説明と再発防止策の実行が、今後の評価を左右する見通しだ。

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