株式会社クオンツ総研ホールディングス(東証、9552)が令和8年1月5日に発表した令和7年9月期連結決算(IFRS)は、売上収益が166億02百万円(前期比0.3%増)と横ばいを確保した一方、営業利益は47億78百万円(同42.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は27億47百万円(同51.4%減)と大幅な減益となった。1株当たり当期利益は47円97銭(前期96円60銭)に低下した。
損益面では、売上原価が増加し、売上総利益は100億30百万円(前期119億57百万円)へ縮小。販売費及び一般管理費も52億27百万円(前期36億98百万円)に膨らみ、利益を圧迫した。セグメント別では、主力の「M&A仲介事業」が売上収益151億46百万円(前期163億01百万円)へ減少したのに対し、「コンサルティング事業」は14億51百万円(前期2億47百万円)へ急伸した。ただ、コンサルティング事業はセグメント損失が7億86百万円となり、採算面の課題もにじむ形となった。
財政状態は引き締まりが目立つ。資産合計は81億23百万円(前期125億23百万円)に縮小し、親会社所有者帰属持分も51億04百万円(同89億13百万円)へ減少。現金及び現金同等物は41億18百万円と、前期末の101億74百万円から大きく減った。キャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは13億02百万円を確保したものの、財務活動によるキャッシュ・フローは△70億09百万円と大幅な流出となっており、自己株式取得(当期の取得支出は約67億円規模)など株主還元・資本政策が資金面に与えた影響は小さくない。
配当は期末5円(年間5円)を実施する一方、令和8年9月期の配当予想は無配としている。
会社側は令和8年9月期の連結業績予想として、売上収益221億84百万円(前期比33.6%増)、営業利益59億93百万円(同20.7%増)、親会社所有者帰属当期利益35億33百万円(同22.1%増)を掲げた。利益水準の回復を見込むが、当期に拡大したコストの吸収と、伸長したコンサルティング領域の収益化が焦点となりそうだ。
また、決算短信では連結範囲の重要な変更として、海外子会社「M&AResearch Institute Singapore Pte. Ltd」および「株式会社総研リース」を新たに連結に加えたとしている。後発事象としては、自己株式取得資金のバックファイナンス等を目的とする借入を複数実行・予定しており、40億円の短期借入(令和7年12月19日実行、同月30日返済予定)に加え、総研リースの運転資金向けに15億円(同年12月26日実行予定、令和8年8月12日返済予定)を計画。さらに複数金融機関との40億円の契約(期限は令和10年12月29日予定)では、純資産の維持や連続赤字回避など財務上の特約も盛り込まれた。
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