第一稀元素化学、通期経常利益55%減に下方修正 ベトナム子会社含む為替差損影響で

第一稀元素化学工業株式会社(東証プライム・コード4082)は4月30日、2025年3月期通期の連結業績予想を下方修正すると発表した。あわせて第4四半期において多額の為替差損が発生し、営業外費用として計上する見通しであることも明らかにした。

修正後の通期見通しでは、売上高は336億4,000万円(前回予想比1.1%減)、営業利益は22億8,000万円(同3.6%増)と、販売価格調整や原価低減によって営業面ではおおむね堅調に推移したものの、経常利益は従来予想の14億円から6億3,000万円へと55.0%の大幅減。親会社株主に帰属する当期純利益も7億9,000万円と、前回予想の11億円から28.2%の減少となる見通しで、1株当たり純利益も45円25銭から32円61銭へと落ち込む見込みである。

業績予想の修正理由について同社は、世界的な電動車需要の鈍化により販売数量が想定を下回ったものの、原材料費の変動に対応した販売価格の調整により売上高は大幅な乖離なく推移したと説明している。また、原価管理や経費抑制などにより営業利益は前回予想をやや上回る水準を確保した。一方で、2025年に入ってからの急速な円高進行が外貨建資産・負債に与えた影響が大きく、為替差損の発生により経常利益が大幅に悪化した。

この為替差損は主に、同社が保有するベトナム子会社向けの米ドル建て貸付金116百万米ドルと、その同額の借入金が為替変動にさらされたことに起因しており、同社単体で573百万円、ベトナム子会社で740百万円、合計で1315百万円の損失を計上する見込みである。また、第4四半期単独では1627百万円の為替差損を計上予定で、そのうち未収入金に係る41百万円については、同額を営業外収益の貸倒引当金戻入額として計上することで、収支の一部が相殺される構造となっている。

同社のベトナム子会社は会計基準の関係上、12月末決算としており、円とは異なる通貨の為替変動が本決算期に繰り延べて反映される。具体的には2024年9月末と12月末の為替レート差から、ベトナムドン安・米ドル高の影響を受け、現地会計においても為替差損が発生しているという。

同社では、為替変動リスクへの対応として、外貨建債権の一部には為替予約取引を導入しているほか、ベトナム子会社への貸付金の一部にはデリバティブ取引を適用しており、一定のヘッジを講じているものの、全体としての影響を完全に相殺するには至らなかった模様だ。 #事業 #ビジネス #ニュース

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