上場企業の財務情報や開示資料を可視化し、投資家らに広く利用されてきたウェブサービス「IRBANK(アイアールバンク)」が、2025年5月9日現在、突如アクセス不能な状態に陥っている。
当初、SSL証明書の不一致によるセキュリティ警告が確認されていたが、その後さらに、国際的なドメイン管理機関であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)の規定に基づくドメイン停止処分が発動されていたことが明らかとなった。
該当ドメイン「irbank.net」にアクセスすると現在、「このドメインはICANN認証待ちのため一時的に停止されています」という英文のページが表示される状態となっており、サイトの閲覧は完全に不可能となっている。
表示によれば、ICANNの規定に基づき、以下のいずれかが原因でドメインが一時的に凍結されたものと見られる。
- 新規登録されたドメインの登録者メールアドレスが確認されていない
- 登録者情報(氏名、メールアドレスなど)を変更後に、メール確認が完了していない
ICANNでは2014年以降、すべてのドメイン登録者に対して、WHOIS情報(登録者情報)に記載されたメールアドレスの認証を義務付けており、15日以内に確認が取れない場合には、該当ドメインの一時停止を命じる措置が講じられる。このルールにより、スパム目的やなりすましによるドメイン利用を未然に防ぐのが狙いとされる。
IRBANKは、日本国内の法人(法人名称未掲載)が運営する無料サービスで、上場企業の財務データ、有価証券報告書、株主構成や役員情報などを一括で検索・閲覧できる利便性の高いサイトとして、投資家や企業関係者に長年利用されてきた。とりわけ、CSV形式でのデータ取得機能やグラフ表示機能が好評を博しており、証券アナリストや金融系メディアからの信頼も厚かった。
今回の障害は、当初「NET::ERR_CERT_COMMON_NAME_INVALID」というSSL証明書エラーの表示から始まった。これは、Webサイトのセキュリティ証明書と実際のドメインが一致しない場合にブラウザが発する警告であり、多くのユーザーが「フィッシングサイトかと誤認した」と困惑の声を上げていた。ところがその後、SSLの問題を超えてドメイン自体がICANNにより停止されるという異常事態に発展したことで、さらなる波紋を呼んでいる。
2025年5月9日午後時点において、運営元は一切の公式声明を発しておらず、SNSや公式サイトにも説明は掲載されていない。
日々の情報収集や企業調査にIRBANKを活用していた利用者からは、「代替手段がない」「株主総会前に情報を調べていたのに困る」といった切実な声も上がっており、復旧の遅れが長期化すれば、信頼性の低下も免れない状況となりつつある。
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