官報によると、山梨県甲府市に本拠を置く元・ホテル運営の「株式会社DNK」(旧商号:株式会社談露館)は、6月24日付で甲府地方裁判所より特別清算の開始決定を受けたことが明らかになった。
1887年(明治20年)に創業された同社は、「談露館」の屋号で旅館を運営し、皇族や各界著名人にも利用されるなど名門旅館として知られていた。1980年には老朽化した建物を鉄筋コンクリート6階建てのシティホテルに建て替え、甲府を代表する宿泊施設として事業を展開していた。しかし、景気低迷や競争激化による売上減少で業績が悪化し、設備投資に伴う多額の借入金が資金繰りを逼迫させた。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で宿泊需要が落ち込んだこともあり、営業継続を目的として「談露館株式会社」を設立し事業を譲渡、自らは清算目的会社として現商号に改称し事後処理を進めていた。
負債総額は約18億円に上る見通しだ。
なお、ホテルは「シャトレーゼホールディングス」の子会社となった新会社が、「シャトレーゼ談露館」の屋号で事業を継続している。