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ミンカブ、子会社の全株式を譲渡 トレードワークスとのシナジー狙う

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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド(東証グロース:4436)は14日、連結子会社である株式会社ミンカブソリューションサービシーズ(MSS)を通じ、孫会社の株式会社ミンカブアセットパートナーズ(MAP)の全株式を、業務提携先の株式会社トレードワークス(TW)に譲渡することを発表した。譲渡価額は100百万円で、3月31日に譲渡を実行する予定だ。

「貯蓄から資産形成へ」も…事業シナジーを優先

ミンカブは、「貯蓄から資産形成へ」のスローガンを掲げ、資産形成層向けの金融サービス事業を推進してきた。その一環として、2021年9月にMAPを設立し、金融商品仲介業(2022年12月)、投資助言・代理業(2023年12月)の登録を完了。一般社団法人日本投資顧問協会にも加入し、オンライン専業の投資助言業者としての事業開始準備を進めていた。

一方、TWは証券業界に特化したシステム開発・運用の実績を持ち、リアルタイム取引システムを有する。ミンカブは昨年5月にTWと業務提携を締結し、両社の強みを生かした事業展開を模索していた。その中で、MAPの事業をTWに統合することで、より高いシナジーを発揮できるとの判断に至ったという。

経営状態の厳しさも一因か

MAPの財務状況をみると、2021年3月期から2024年3月期まで赤字が続いている。特に2024年3月期は、売上高4百万円に対し、営業損失55百万円、当期純損失も同額と厳しい状況にあった。純資産もマイナスに転じており、事業継続には抜本的な改革が求められていた。

こうした背景のもと、ミンカブはMAPをTWに譲渡し、同社の金融ソリューション事業との統合を進めることを決断。これにより、ミンカブ自身は本業の経営資源をより集中できる形となる。

トレードワークスとの関係強化へ

TWは、金融ソリューション事業、デジタルコマース事業、FXシステム事業、セキュリティ診断事業を手掛ける企業で、証券業界向けのシステム開発に強みを持つ。2023年12月期の総資産は3,043百万円、純資産は1,385百万円と、安定した財務基盤を誇る。

TWの代表取締役社長・齋藤正勝氏は、ミンカブの完全子会社であるMSSの取締役を兼任しており、両社の関係は深い。ミンカブもMSSを通じてTWの株式4.7%を保有しており、今回の株式譲渡は、事業整理にとどまらず、両社のさらなる提携強化の布石とも考えられる。

100百万円での譲渡、特別利益計上へ

譲渡の詳細を見ると、ミンカブはMAPの全株式(2,000株)をTWに100百万円で譲渡。これにより、ミンカブはMAPに対する100%の議決権を失うことになる。ミンカブは本件による子会社株式売却益を2025年3月期第4四半期に特別利益として計上する予定で、具体的な金額は判明次第公表するとしている。

今後の展開は

ミンカブにとって今回の譲渡は、成長戦略の一環と位置づけられる。MAP単体での事業継続は困難と判断し、より相乗効果が見込めるTWに引き渡すことで、資本効率を高める狙いがある。

一方、TWにとっては、MAPの金融商品仲介業・投資助言業のライセンスを活用し、自社のリアルタイム取引システムと統合することで、新たな事業展開を加速させることが期待される。

市場では、ミンカブが本業である金融情報サービスの強化に向けた一手と評価する声がある一方、MAPの経営不振を受けた「整理売却」ではないかとの見方もある。今後、ミンカブがどのような成長戦略を描くのか、引き続き注目される。 #ビジネス #業績 #事業

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