【独自入手】新宿区の違法金融業者が破産の可能性 負債800万円

東京都新宿区に本社を構える金融業の「H社」が、近く東京地裁に破産手続きを申し立てることが分かった。関係者への取材で明らかになった。負債総額は約800万円に上る見通しだ。

H社は2018年2月、大阪府大阪市でN氏が法律関連のWEBサイトを法人化し、資本金50万円で設立された。設立当初は法律相談を目的としたサイト運営が主な業務だったが、次第に金券やギフト券の買取、後払い決済枠の買取など、金融関連事業へと事業を拡大。2023年3月期には約6600万円の売上を計上するまでに成長した。

画像 : H社のホームページ

しかし、2024年8月にN氏がH社を札幌市の「A社」に売却すると、状況が一変する。A社は主力だった金券買取事業を突然廃止し、H社に在籍していた全従業員を解雇。その後、H社は無許可で貸金業を行う、いわゆる「ヤミ金」へと変貌していったという。

関係者によると、H社はSNSを利用して個人をターゲットに融資を持ちかけ、法外な利率で貸し付けていたとみられる。実際にH社から金を借りたという女性は取材に対し、「相手の名前は知っているが、電話番号や住所は知らない」「個人情報をすべて渡している」と語った。さらに、利率について「4日で1割程度」と答えた。このような高利貸し行為は貸金業法に違反するもので、無登録での営業は刑事罰の対象となる可能性がある。

貸金業法では、登録を行わずに貸金業を営むことは禁止されており、違反した場合は10年以下の懲役、もしくは3000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性がある。特に、SNSやインターネットを利用して不特定多数に融資を勧誘する行為は近年急増しており、警察庁は注意喚起を行っている。

編集部はH社とA社代表のA氏に「破産手続きを申し立てるのは事実か」とメールで問い合わせたが、期限までに回答は得られなかった。A社は札幌市内で複数の企業を経営しており、その中には過去にトラブルが発覚した事業も含まれているという。関係者の間では、A社によるH社の買収には当初から不透明な点が多く、今回のヤミ金化は計画的だった可能性も指摘されている。

編集部が調査を依頼した会社の担当者は「H社はM&A後に事業方針が急変し、合法的な金融サービスから違法なヤミ金業者へと転換した。負債額は800万円程度の見通しだが、さらに多くの債権者(被害者)がいる可能性が高い」と述べた。

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