KDDIグループの決済事業を担うauペイメント(本社・東京都港区)は4日、政府が制度整備を進めてきた「給与デジタル払い」に対応した新サービス「au PAY 給与受取」の提供を開始したと発表した。厚生労働大臣による指定を受けた資金移動業者として、スマートフォン決済サービス「au PAY」で給与を直接受け取ることが可能になる。KDDIやauフィナンシャルグループ各社など、グループ内で先行導入が進められ、2025年5月以降、希望する従業員を対象に順次運用が始まる。
これにより、対象従業員は、従来の銀行口座や現金に加え、「au PAY 給与残高」という専用残高で給与を受け取る選択肢が新たに加わる。国が2023年度より推進してきた“賃金のデジタル払い”制度が、本格的に民間企業の給与支払いに取り入れられる形となった。
■ デジタル受け取りで利便性向上
導入企業には、KDDIのほか、auじぶん銀行やau損害保険などグループ中核企業が名を連ねており、従業員は給与の一部または全額をau PAY残高で受け取ることが可能。受け取った給与残高は、本人名義の銀行口座への出金やATMでの引き出し、買い物などに利用できる。なお、給与残高の上限は10万円で、それを超える額は自動的に金融機関口座へ送金される仕組みだ。
事業者側の導入方法は、「仮想口座方式」と「Bチャージ方式」の2種類が用意されている。前者は既存の銀行振込インフラをそのまま活用でき、後者は従業員のau PAY会員ナンバー宛に直接給与をチャージする方式となっている。
auペイメントでは、今後グループ外企業にも導入拡大を図る方針で、「労働者にとって給与受け取りの選択肢が広がることは、働き方の柔軟性と利便性の向上につながる」としている。
■ 安全性・補償制度も整備
また同社は、万一の破綻時に備えた資金保全措置も整えており、給与残高に記録された金額については、グループ会社であるauじぶん銀行が弁済する仕組みを導入。不正取引への補償制度も併せて整備されているという。
給与のデジタル払いは、2023年4月の制度解禁以降、メルペイや楽天ペイなどが対応業者として名を連ねていたが、実際の企業での導入はまだ一部にとどまっていた。今回のKDDIグループによる本格導入は、制度の普及に弾みをつける動きといえる。
労使間での同意や説明が必要なことから、今後の普及には一定のハードルも残るが、キャッシュレス化が進む中で、給与の「受け取り方」自体が大きく変わる転機となりそうだ。 #事業 #ビジネス #ニュース
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