岡山景気「緩やかに回復」据え置き|水島の製造業、物流、観光消費に原油高の影 中小企業支援策の活用も焦点

岡山ガスの料金値上げで家計と店舗経営に負担が広がるイメージ

岡山県内の景気判断は、4月の経済情勢報告で11期連続となる「緩やかに回復しつつある」に据え置かれました。百貨店やスーパーなどの個人消費は物価上昇の影響を受けながらも底堅く、生産活動にも持ち直しの動きが続いています。輸出も前年を上回る方向に改善し、県内経済は大きく失速していません。

ただ、地元企業の現場は楽ではありません。企業の景況感は「上昇」超から「下降」超へ転じ、原油高、原材料価格の上昇、人手不足が収益を圧迫しています。岡山経済は数字の上では回復を維持していますが、中小企業を中心に、採算と資金繰りへの警戒感が強まっています。

岡山県経済を見るうえで外せないのが、倉敷市の水島地区です。水島コンビナートには、鉄鋼、化学、自動車、石油関連の事業所が集まり、県内の製造業と物流を支えています。原油高は燃料費だけでなく、電力料金、原材料費、輸送費にも波及します。価格転嫁が遅れた企業ほど、売上があっても利益を削られやすくなります。

個人消費も、見た目ほど強いとは言い切れません。スーパーでは食料品を中心に販売額が前年を上回っていますが、値上げによって売上額が押し上げられている面があります。消費者は必要な商品を選び、買う量を抑える傾向を強めています。百貨店では高額品や贈答需要に動きがある一方、日常消費では節約志向が続いています。

観光やサービス業では、大型連休中の人出が支えになります。倉敷美観地区、岡山後楽園、瀬戸内エリアの観光需要は、飲食、土産物、宿泊、交通に波及します。しかし、飲食店や宿泊業では食材費、光熱費、人件費が上がっており、客数が戻っても利益が残りにくい事業者があります。

雇用面でも、企業は難しい判断を迫られています。人手不足は続いていますが、人件費や社会保険料、原材料費の上昇で、採用を増やしにくい企業もあります。人は足りないが、固定費は増やせない。この状態が、県内中小企業の経営判断を重くしています。

県内の景況感を示す調査では、景況DIがマイナス15.7となり、前回から2.3ポイント悪化しました。県内の高リスク企業は2350社となり、前年より58社増えています。景気判断では回復が続いているものの、資金繰りや採算への不安は残っています。

こうしたなか、岡山県は5月1日から、中東情勢の影響を受ける中小企業向けに、経済変動対策資金の緊急対応を始めました。原油価格や原材料価格の上昇で資金繰りに支障が出ている企業、または今後支障が見込まれる企業が対象です。燃料費、仕入れ価格、輸送費の上昇で資金繰りが苦しくなっている事業者にとって、早めに相談する価値があります。

連休明けの焦点は、消費の回復ではなく、地元企業がコスト高をどこまで吸収できるかです。製造業では、原材料費と電力料金が採算を左右します。運輸業では、燃料費が利益を圧迫します。飲食、小売、宿泊では、売上が伸びても食材費や人件費が重くなります。

岡山経済は、表面上は「緩やかな回復」を続けています。しかし、その回復は、すべての企業に余裕をもたらすほど強いものではありません。水島の製造業、県内の運輸業、観光地の飲食・宿泊業、中小の小売業が、価格転嫁と資金繰りをどこまで進められるか。連休明けの岡山経済は、景気判断の言葉よりも、企業の手元資金と利益率が問われる局面に入ります。

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