丸亀の障害者就労支援事業所で重大虐待

障害者就労支援事業所の指定取消と虐待防止体制の問題を示す報道イメージ

香川県が「ゆうちゃん弁当ゆうちゃん亭」の指定取消 弁当製造販売の現場で運営基準違反も

香川県は5月26日、丸亀市の障害福祉サービス事業所「ゆうちゃん弁当ゆうちゃん亭」について、就労継続支援A型・B型の指定を取り消す行政処分を行ったと発表しました。

利用者への重大な虐待行為が確認されたためです。県は、虐待発生後の検証や再発防止策を担う「虐待防止委員会」が十分に機能していなかったとして、複数の運営基準違反も確認したとしています。

運営法人は、高松市屋島西町の一般社団法人スワンです。同事業所は、弁当の製造・販売を通じて障害者の就労を支援する施設として運営されていました。就労継続支援A型の事業所は丸亀市金倉町、B型の事業所は丸亀市城東町にあり、いずれも定員は15人とされています。

県や報道内容によると、2025年11月、事業所関係者から関係自治体に対し、当時の事業所責任者による利用者への虐待について通報がありました。関係自治体の調査を経て、2026年1月に県へ「虐待に該当する」とする報告がありました。

これを受け、香川県は2026年2月から3月にかけて調査を実施。当時の責任者は、調査が進む中で、これまでの説明と異なる重大な虐待行為を認めたとされています。

さらに県は、虐待発生後に事実確認や再発防止策を検討するはずの虐待防止委員会が役割を果たしていなかったことも確認しました。事業所から提出された改善計画についても、有効な再発防止策が確認できなかったとして、指定取消に踏み切りました。

県は今回の事案について警察にも通報しています。

事業所は、4月1日時点で合わせて障害者15人が利用していましたが、5月1日から業務を停止しています。指定取消により、同法人は同事業所で就労継続支援A型・B型のサービスを継続できなくなります。

一般社団法人スワンは、処分を厳粛に受け止めているとのコメントを出しています。

弁当製造販売の現場で起きた信頼低下

就労継続支援事業所は、障害のある人が働く機会を得るための重要な受け皿です。弁当の製造・販売は、地域の需要と福祉サービスを結びつけやすい事業形態でもあります。

一方で、利用者は事業所側の管理体制に大きく依存します。責任者が利用者に対して虐待を行い、内部の虐待防止委員会も機能していなかったとすれば、単なる個人の不適切行為にとどまりません。

利用者保護、職員研修、内部通報、再発防止策、第三者確認。
福祉サービス事業者として必要な管理体制そのものが問われます。

今回の処分は、香川県内の1事業所に対する行政処分です。ただ、岡山県を含む瀬戸内エリアでは、障害者就労支援、配食、食品製造、地域小売を組み合わせた福祉事業は少なくありません。

地域に根ざした福祉ビジネスであっても、利用者保護の仕組みが機能しなければ、事業の信頼は一気に失われます。

編集部まとめ

今回の指定取消は、障害者就労支援の現場で、利用者への重大な虐待と運営基準違反が確認された事案です。

問題は、虐待行為そのものだけではありません。虐待防止委員会が役割を果たしていなかったこと、改善計画に有効な再発防止策が確認できなかったことも、行政処分の大きな理由になりました。

福祉サービス事業者に求められるのは、理念や地域貢献だけではありません。

利用者を守る仕組みが実際に動いているか。
通報を受けた後に検証できる体制があるか。
責任者の行為を内部で止められる仕組みがあるか。

今回の処分は、香川だけでなく岡山を含む周辺地域の福祉事業者にも、虐待防止体制の再点検を迫るものです。

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