はじめに
世の中には実にくだらない現象が多いが、その中でも「頭が良い」と評される経営者が会社を潰し、一方で「バカ」と思われていた経営者が大成功を収めるという奇妙な事象ほどしょうもないものはない。学歴や肩書き、優秀な経歴があるにも関わらず、なぜ彼らは転落し、一見大したことのない経営者が頂点に立つのか。
これは偶然ではない。むしろ、世界の成り立ちが「頭の良さ」に対して意外にも冷酷であり、「バカさ」を秘めた者に対して寛大であることを示している。世の中は「考えすぎる者」に厳しく、「考えなさすぎる者」には甘いのだ。おかしな話だが、これが現実である。
本書では、頭が良すぎる経営者が自らの知性の罠にハマり、いとも簡単に会社を潰してしまう例を細かく分析する。そして、どう考えてもバカにしか見えない経営者が、なぜか華々しい成功を収める理由をあれこれと掘り下げる。最終的には、「賢い経営者」とは一体何者なのかを解き明かしていく。目指すべきは「頭の良さ」と「バカさ」の絶妙なハイブリッドである。
頭が良い経営者の罠
「完璧な計画が招く破綻のシナリオ」
頭が良い経営者ほど「自分は賢い」と思い込みがちである。それ自体が大きな罠なのだが、本人はまったく気づいていない。完璧な市場調査、徹底した競合分析、細部にわたるリスク管理。何もかもが過剰である。そして過剰であるがゆえに、どこかで「完璧すぎて怖い」という感覚に囚われる。
完璧を目指せば目指すほど、皮肉にも「完璧にいかない場合」の想定が薄れるのが人間の性である。頭が良い経営者は、「失敗はあり得ない」という自信に満ち溢れている。その結果、計画が破綻した際のダメージは計り知れない。「なぜこんなことになったのか?」と頭を抱えるが、そもそもそんな想定は初めからしていないのだから当然である。
たとえば、名門大学を卒業し、華々しい経歴を持つ経営者が、「これぞ完璧な市場の穴だ」と新規事業を始めたものの、わずか半年で撤退する話など、実にくだらないが頻繁に起こっている。「計画は万全だったのに、なぜ?」と首をかしげるが、計画そのものが現場の空気を無視しているのだから失敗して当然である。
対照的に「バカな経営者」は、ほぼ計画など立てない。「とりあえずやってみる」という実にシンプルな思考回路である。これが功を奏する。現場での経験や直感を元に修正を重ね、結果的に成功を掴むのだ。この差は、頭の良さよりも泥臭さが勝る世界の理不尽さを象徴している。
バカな経営者が成功する理由
「直感と思いつきが生む奇跡の法則」
バカな経営者ほど、直感と勢いだけで突っ走る。計画が雑であることを自覚しているのかもしれないが、特に気にしていない。重要なのは「動くこと」であり、「考えること」ではないのだ。「やってみないとわからない」という単純な信念が、結果的に大きな成功を呼び寄せる。
失敗しても反省などしない。むしろ「またやればいいじゃないか」という実に楽観的な態度をとる。この姿勢が奇跡的な成功を生むのである。
一方で、「頭が良い経営者」は、失敗を重く受け止めすぎる。「計画に問題があったのでは?」と悩み始め、反省の泥沼にハマるのが常である。そして、気がつけば「次の手を打つ気力がない」という状態に陥る。
成功した経営者は、しばしば「バカでよかった」と振り返る。アップル創業者のスティーブ・ジョブズも「バカになれ」と言っているが、これは美談ではなく、真理なのである。
頭が良い経営者が陥る「論理の沼」
「考えすぎて身動きが取れない」
頭が良い経営者ほど「何もしない」という選択肢を選ぶことが多い。論理的に詰めれば詰めるほど、「やらない理由」が次々と見つかるのだ。そして気がつけば、何一つ動いていない。これほどしょうもない話はない。
一方で、バカな経営者は「まず動け」という至極単純な思考である。論理など気にしない。「いけるかもしれない」という根拠のない自信だけで突き進むのだ。
さいごに
「頭が良いバカ」が最強である
結局、最も成功するのは「頭が良いバカ」である。計画も立てるが、計画倒れに終わらない。直感も大事にし、失敗してもその失敗を糧に次に進む。この絶妙なバランスが、経営者にとって最強の武器になる。
賢い経営者とは、頭が良いフリをしつつも、時にはバカを演じる柔軟さを持つ者である。 #ビジネス #経営
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