広島市に本社を置く不動産関連会社「A社」の元社員O氏(男性)が、SNS「X(旧Twitter)」上で路上で遊ぶ子どもたちの姿を無断で撮影・投稿し、「うるさい」などと批判を繰り返していた問題で、本紙は複数回にわたる現地取材により、企業対応とO氏の処分の詳細を明らかにした。

O氏は2025年1月頃より、SNS上にて周囲の子どもたちを無断撮影した画像や映像を掲載し、「騒音だ」「しつけがなっていない」といった投稿を連続的に行っていた。記者が当該アカウントを調査したところ、O氏は2016年に勤務先であるA社の社名を投稿しており、またA社と交流のあった福岡市の運送業関係者も「現在もO氏はA社勤務」と証言。これにより編集部はO氏の身元を特定し、2025年3月にA社への取材を実施した。
質問状の送付に対してA社からは期日までに返答はなく、記者がA社の入居するビルを訪問したところ、対応したF社長(30代男性)はO氏のアカウントを確認し「社内撮影もSNS投稿も許可していない」「迷惑をかけ申し訳ない」と述べるも、「後日連絡する」と繰り返すばかりで、取材を早々に打ち切った。
A社の姿勢に疑問を持った記者は、同社の主要取引先である岡山市内の経営コンサルタント「B社」にも取材を申し入れた。代表社員は即答を避けたが、後日、B社の顧問弁護士名義で届いた文書には、「当社は不法行為に一切関与しておらず、A社とは本件を理由に契約を解除済み。社名の報道は控えてほしい」との強い要望が添えられていた。

そして、2025年5月20日、編集部は改めてA社を訪問。今度はF社長と代理人弁護士が対応し、O氏が「機密情報を外部に漏洩した」ことを理由に懲戒解雇された事実を認めた。代理人弁護士は、「O氏の投稿はあくまで個人的な不法行為であり、A社は一切関知していない」と強調し、「本件でA社は主要取引先から契約を打ち切られるなど十分な社会的制裁を受けており、これ以上の公表は過剰だ」との見解を示した。
編集部は、O氏の行為により精神的被害を受けたとされる家庭への取材も試みたが、代理人弁護士からは「O氏は現在、広島県外に居住しており、既に和解が成立している」として回答を拒否された。O氏への直接取材も試みたが返答はなく、記載されていた弁護士事務所からも現時点での回答はない。
SNSを通じた“晒し行為”が企業の信用をも揺るがす事例は後を絶たない。O氏の行為は個人の逸脱に留まらず、勤務先の信用、ひいては関係先企業にまで影響を及ぼしており、企業側の管理責任が問われるのは避けられない。
▼記者のコメント
SNS上の暴走は、今や個人だけでなく企業全体のレピュテーションリスクとなっています。A社およびB社が主張する「無関係」という立場をどう受け止めるべきか、読者の皆様の判断に委ねます。ただ一つ確かなのは、O氏の行為は社会的にも倫理的にも許容されるものではなく、企業における情報管理・社員教育のあり方が厳しく問われる時代に入っているということです。
(記者=西元翔栄)
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