【教育×航空】お茶の水女子大とJALが連携協定 性別偏在の是正と国際人材育成を推進

日本航空(JAL、本社・東京都品川区、鳥取三津子社長)と国立大学法人お茶の水女子大学(東京都文京区、佐々木泰子学長)は22日、ダイバーシティ推進と国際的な人材育成を目的とした連携協定を締結した。航空業界における性別偏在の構造的課題に切り込みつつ、教養豊かな次世代人材の育成を図る。航空大手と国立女子大による異色の連携は、少子高齢化が進む日本における労働力確保とイノベーション創出の一手として注目される。

◆航空業界の“構造的ジェンダー格差”にメス

JALグループ全体の男女比は、男性48%・女性52%と均衡しているものの、職種別に見ると極端な偏在が存在する。例えば操縦士や整備士は9割以上が男性、客室乗務員や空港スタッフはほとんどが女性という状況だ。

今回の連携では、こうした職種ごとの性別偏在に対し、同大学の「ジェンダード・イノベーション研究所」と共同で実証的な調査・研究を行い、改善策を提言する。研究では、性差(セックス)および社会的性(ジェンダー)の双方を考慮し、現場の制度や文化に内在する問題を可視化。性別にかかわらず能力を最大限に発揮できる職場環境の構築を目指す。

◆“違い”を強みに変える企業へ

JALは、社員一人ひとりの「個」を尊重し、その多様性を原動力として企業成長に結びつける「JALダイバーシティ」を推進。国籍、年齢、障がいの有無にとどまらず、経験や価値観の違いも力に変え、社会の期待に応える“共創型企業”を目指している。

佐々木学長は、「本学はあらゆる女性が尊厳を持ち、自らの能力を開花させることを支援する場。JALとの連携を通じて、より多様な価値観が共鳴する社会の実現に貢献したい」と述べた。

◆国際人材の育成にも注力

連携協定には、国際的視野と高い教養を備えた人材の育成も盛り込まれている。JAL社内研修に同大学教員を講師として招くほか、JAL主催の研修や国内外支店でのインターンシップに同大学の学生を受け入れることも検討されている。

お茶の水女子大学では、2022年に「ジェンダード・イノベーション研究所」を設置。研究・製品開発・社会発信という3本柱で、科学技術と人文知を融合させた持続可能な社会の創造に取り組んできた。

◆働き方の再設計と持続可能な社会へ

女性活躍の文脈を超え、「すべての人の可能性を最大化する環境づくり」への視座が問われる現代。航空業界の性別偏在という“見過ごされがちな構造課題”に、学術と現場の双方から挑む連携は、企業と大学の協定を超えた、未来社会に向けた実践的モデルといえそうだ。

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