宇宙関連事業の拡大が続く中、周回衛星向け地上局サービス(GSaaS)に特化する株式会社インフォステラ(東京都新宿区、代表取締役:倉原直美)は、韓国の宇宙ソリューション企業CONTEC社(本社:大田広域市、CEO:Sunghee Lee)と業務提携を結び、グローバルでの地上局ネットワーク強化に乗り出した。両社は2025年6月3日に韓国で開催された国際宇宙シンポジウム(International Space Symposium)において、協力覚書(MoU)を締結。アジア太平洋を含む世界各地の衛星運用者に向け、地上セグメントの安定性と効率性の向上を図る狙いだ。

インフォステラとCONTECは、両社が保有する地上局ネットワークの相互利用、サービスの共同開発、そして衛星通信インフラの機動性および信頼性の向上に重点を置いた事業協力を推進する方針を打ち出した。これにより、分散・多様化が進む地球観測や通信衛星オペレーションに対し、柔軟かつ低遅延な地上通信網の提供が可能になるとしている。
インフォステラの倉原社長は「本提携は、強固かつ拡張性の高いGSaaSエコシステムの構築に向けた重要な一歩であり、両社の地上局資源を融合させることで、グローバルな衛星市場における多様なニーズに応えていける」と述べ、アジア発の衛星通信基盤強化に意欲を示した。
一方、CONTECのSunghee Lee CEOも「インフォステラとの提携は、当社のグローバル展開における戦略的転換点であり、日韓両国の技術と経験を組み合わせることで、より信頼性の高いGSaaSソリューションの提供が可能になる」と語った。
両社は今後、共同プロジェクトの立ち上げや新規地上局設置などに向けた継続的協議を進め、GSaaS市場における覇権獲得を目指す。衛星業界における地上局の競争は、従来の国別運用から、グローバルな統合運用へとシフトしており、インフォステラとCONTECの動きはその象徴ともいえる。
インフォステラは2016年に創業。クラウド型地上局プラットフォーム「StellarStation」を通じ、仮想化された地上局ネットワークを提供することで、従来は煩雑だった通信インフラの構築・運用コストを大幅に削減してきた。北海道・大樹町には自社運営のテレポート施設を保有し、通信機器、電源系統、光ファイバー接続などを完備。中部・南部地域での新たな地上局開設も計画されている。
加えて、専用アンテナリソースのホスティングや通信設備の保守管理、無線局免許取得の支援といったサービスも展開。これにより、通信インフラ構築のハードルを下げ、民間衛星事業者の迅速な事業立ち上げを支援してきた。
一方のCONTEC社は、2015年に設立された宇宙関連スタートアップで、地上局設計・運用、衛星画像解析、GSaaSを柱としたソリューション提供を行う。2025年で創立10周年を迎え、「CONTEC Space Group」として垂直統合体制を確立しつつある。4月にはオーストラリアに地上局を設置し、年内には済州島にも新局を開設予定。光通信を基盤とした次世代地上インフラの開発も進めており、衛星データ通信の高度化を先導している。
世界の衛星ビジネスが急速に拡大する中、アジアの新興勢力である両社が手を結んだ意味は大きい。インフォステラとCONTECの連携が、宇宙産業の新たな標準を形づくる一手となる可能性も否定できない。日韓両社によるGSaaS分野での主導権争いに注目が集まる。
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