
ミャンマーにおいて、軍事政権下での経済混迷や内戦の影響を背景に、住民が自らの腎臓や肝臓などを売却するケースが増加しているとする報道が複数出ています。現在公表されている範囲で、以下の通り整理します。
経済状況と臓器売買の背景
2021年に軍がクーデターで政権を掌握して以降、ミャンマーでは通貨ミャンマー・チャットの暴落やインフレによる生活費高騰、輸入の減少といった経済危機が深まっています。
こうした状況の中、「生き延びるために自ら臓器を売る」選択を余儀なくされたという報告があります。たとえば、腎臓売却の仲介を目的としたSNS上のグループがミャンマー語で運営されており、売り手に数千ドルの支払いが提示されているという記事もあります。
臓器売買/臓器摘出の報告状況
報道によれば、ミャンマー国内の詐欺工場(いわゆる“スキャム・ミル”)に関与した被害者の中から、臓器摘出を受けたという証言も出ています。例えば、ウォー報道機関の取材では、元被害者が「血液検査を強要された。臓器移植目的と思われる状況もあった」と語っており、運営側が「目標を達成できなければ罰を受ける」などと強制的な状況があったと証言しています。
また、国外への臓器売買を示唆する報道もあります。ある記事では、ミャンマーの貧しい人々がインドへ飛び腎臓を売るケースが報じられています。
地域・数値・被害者に関する状況
- 特定の村「人口700人」の中で10人が臓器売却を行ったという一部報道がありますが、独立の複数ソースによる裏付けは確認できておらず、広く承認された統計データではありません。
- 「臓器売買」「腎臓売却」のキーワードがミャンマー国内のFacebookグループなどで確認されているとの報道あり。
- 臓器摘出を受けた被害者の名前・実数・性別・年齢などは公表された信頼できる公式データとしては提示されていません(被害者の証言をもとにした報道が中心です)。
人道・法的観点
臓器売買はミャンマー国内法および国際法の観点から違法とされ、強制的な臓器摘出は国際的な人権侵害の疑いがあります。臓器の売却をめぐって、被害者の自由な同意がなかった可能性、または欺瞞による同意であった可能性も報じられています。
国際社会では、このような臓器売買・摘出を人身取引・臓器摘出という重大な人権侵害として注視しており、ミャンマーの状況も「絶望の中での臓器売買」という文脈で報じられています。
現状と留意点
- 貧困・インフレ・戦闘・流通遮断などが重なる中、臓器売買が「最終的な選択肢」として浮上しているとの分析があります。
- ただし、臓器売買の全体像(実数、地域分布、被害者構成、物流ルート、摘出後の移植先など)については信頼できる公的統計や査証済みデータは限られており、「報告」「証言」としての情報が中心である点に留意が必要です。
- 例えば「100人以上」「数千ドル」といった具体数字が散見されるものの、出典が明確でないケースもあり、慎重な取り扱いが求められます。
- ミャンマー政府・軍政あるいは所在する地域の地方機関がこの問題を公的に調査・発表しているという明確な声明は、公開情報上では限られています。
結び
ミャンマーの現在の経済・社会状況を背景に、「臓器を売ること」を余儀なくされた人々の存在が、複数の報道機関や被害者証言を通じて示されています。
しかしながら、臓器売買・摘出の根絶に向けては、より詳細な調査・公表が必要であり、現地の法執行・人権機関・国際機関によるモニタリング・救済支援が引き続き重要です。
コメント