小中学校の不登校児童生徒、過去最多の35万3970人 12年連続増加で低年齢化が進行

文部科学省が発表した令和6年度(2024年度)の調査結果によると、全国の小中学校における不登校の児童生徒数は35万3970人に上り、過去最多を更新した。前年度からも増加しており、12年連続の上昇となった。調査では小学校低学年層の不登校が顕著に増えており、背景には生活リズムの乱れや精神的な不調、学校生活への意欲低下など複合的な要因があるとされている。

文科省の説明によれば、不登校の主な理由としては「学校に行く気が出ない」「人間関係の不安」「体調不良」「学業への自信喪失」「いじめへの恐れ」などが挙げられた。特に近年は、家庭での生活時間が長くなった影響や、スマートフォン・SNSの利用増加による生活リズムの乱れが影響している可能性が指摘されている。また、新型コロナウイルスの感染拡大による長期休校やオンライン授業の普及が、登校習慣の変化に影響したという見方もある。

一方、全国のいじめ認知件数は76万9022件に達し、こちらも過去最多を更新した。暴力行為の発生件数も12万8859件に上っており、学校現場では問題行動の早期発見と対応の難しさが浮き彫りとなっている。特にSNS上でのトラブルや排除的なコミュニケーションが増えており、学校外での「見えにくいいじめ」への対応も求められている。

文科省は、教員の負担増や対応の遅れが不登校や問題行動の背景にあるとして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充を進める方針を明らかにしている。また、家庭との連携強化を重視し、地域単位での相談体制整備や支援拠点の設置を推進する考えを示した。

専門家は、不登校の低年齢化を「社会的課題」と位置付ける。従来は中学生に多かったが、現在では小学校1~3年生の割合が年々増加しており、「学校生活そのものへの適応困難」が背景にあると分析する。特に、発達特性を持つ児童への支援体制が追いついていない点や、教員数不足による個別対応の限界も課題とされる。

一方で、文科省は「不登校=問題行動」という従来の認識を改め、子どもが自宅や別の学びの場で学ぶ「多様な学び」を尊重する方針を強調している。不登校特例校や教育支援センターの整備も進められており、登校以外の選択肢を保障する動きが全国に広がりつつある。

文科省の担当者は「子どもが安心して学べる環境を整えることが何より重要。学校復帰だけを目的とせず、子どもの成長を長期的に支援する枠組みが必要だ」と述べている。教育現場では、教員の業務改善や心理支援の拡充が急務とされており、不登校増加の背景には社会全体の構造的課題が潜んでいることが改めて浮き彫りとなった。

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