尾道市で軽貨物車が歩道を走行し高齢女性をはねる 73歳運転手を現行犯逮捕 歩道暴走の経緯を捜査中

2025年11月3日午後、広島県尾道市内の国道2号沿いで、軽貨物車が歩道を走行中に自転車に乗っていた高齢女性をはね、女性が死亡する事故が発生した。警察は運転していた市内在住の73歳の男性を道路交通法違反(歩道通行)および過失運転致死の疑いで現行犯逮捕した。男性は事故直前から歩道を走行していたとみられ、警察が当時の状況や動機を詳しく調べている。

■ 国道2号沿いの市街地で発生

事故が起きたのは、尾道市中心部を通る国道2号の歩道。午後の交通量が多い時間帯で、通行人や自転車利用者も多かったとみられる。現場は車道と歩道がガードレールで区切られている区間もあるが、一部では歩道と車道の間隔が狭く、誤って車両が進入しやすい構造となっていたという。

警察によると、軽貨物車は市街地方向から国道を走行していたが、何らかの理由で車道から逸脱し、歩道に進入。そのまま約数十メートルを走行したのち、前方を走っていた自転車に衝突した。自転車に乗っていたのは近隣に住む高齢の女性で、衝突の衝撃で倒れ、病院に搬送されたが死亡が確認された。

■ 運転手の73歳男性を逮捕

尾道警察署は、運転していた市内在住の会社員の男性(73)を現行犯で逮捕。逮捕容疑は、道路交通法で禁止されている歩道の車両通行に加え、前方不注意による過失運転致死。警察による取り調べに対し、男性は「歩道を走行していたことは間違いない」と供述しているという。

現時点では、男性がなぜ歩道を走っていたのかについて明確な説明は得られていない。ブレーキ操作の遅れや運転判断の誤り、あるいは体調の急変など、複数の可能性を警察が慎重に調べている。

■ 現場では衝撃的な光景も

事故直後、現場周辺では買い物客や通行人が集まり、一時騒然となった。目撃者によると、「軽トラックが突然歩道に乗り上げ、スピードを落とさずにそのまま女性にぶつかった」と話している。

現場付近は尾道駅にも近く、商店や飲食店が立ち並ぶ人通りの多いエリアである。事故発生時には信号待ちの歩行者もおり、もう少しタイミングがずれていれば、さらに多数の巻き込み事故になる危険性もあった。

■ 高齢運転者による交通事故の課題

今回の事件は、高齢ドライバーによる重大事故が再び社会問題として浮かび上がるきっかけとなっている。広島県警の統計によれば、県内で75歳以上の運転者が関与した交通事故件数は2024年に前年比約8%増。特に操作ミスや進路誤認など、「判断力の低下」が原因とされるケースが多い。

警察関係者は「歩道を走行すること自体が極めて危険行為であり、一般的な誤操作では説明しづらい」と指摘。意識の混濁や錯覚などの可能性も含め、運転時の身体状況についても調べている。

また、専門家は「高齢運転者の交通リスクは、本人の自覚だけでは防ぎきれない。地域全体で運転継続の適性を判断できる体制を作ることが必要」としている。

■ 警察「事故の経緯を慎重に捜査」

尾道署によると、男性は逮捕当時、飲酒や薬物の反応は出ていなかった。車両のブレーキやアクセルなどの機械的な異常も現時点では確認されていない。警察は今後、車載記録装置(ドライブレコーダー)の映像や目撃証言をもとに、事故の経緯を再現し、過失の程度を詳しく調べる方針。

同署の担当者は「歩道を車が走行するという異常な事態であり、なぜ進入したのかを解明する必要がある」と述べた。

■ 遺族・地域社会への影響

死亡した女性は近隣に住む70代とみられ、普段から自転車で買い物などに出かけていたという。地域住民の間では「いつも見かける方だった」「こんな場所で事故が起きるとは」と驚きと悲しみの声が広がっている。

尾道市内では近年、高齢者の交通安全を呼びかける活動が続いており、特に車道・歩道の区分が不明確な場所では事故防止のための改善が課題とされてきた。今回の事故を受けて、市や県警が現場周辺の道路構造を再点検する可能性もある。

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