カンニング竹山氏の「国旗損壊罪」発言が波紋 Xで22万超炎上 表現の自由か国家の尊厳か

お笑いタレントのカンニング竹山氏がインターネット番組「ABEMA Prime」に出演した際、国旗損壊を禁止する新法について「日の丸を嫌う人の気持ちを侮辱するのではないか」と発言したことが波紋を広げている。放送直後からこのコメントがSNS上で拡散され、X(旧Twitter)では「反日発言だ」「愛国心を軽視している」などの批判投稿が殺到。関連投稿のエンゲージメントは22万件を超え、番組内の一言が社会的議論にまで発展した。

問題となった新法は、参政党が提出し、自民党および日本維新の会が共同で推進している刑法改正案。日本国旗の損壊行為に対し、懲役3年以下または罰金50万円以下の刑を科すことを定めるもので、2026年の通常国会で成立が見込まれている。これまで国旗損壊は軽犯罪法や器物損壊罪での処罰にとどまっており、明確な刑法上の規定は存在しなかった。

竹山氏は番組内で「法律で規制することで、かえって日の丸を嫌う人たちの気持ちを逆なでする結果になるのでは」「国を大切に思う気持ちと、法律で縛ることは違う」といった趣旨を語った。この発言が切り取られて拡散され、「国旗侮辱を擁護した」と誤解される形で炎上が拡大。翌日には本人が自身のラジオ番組で「反日的意図はまったくない。議論の場をつくりたかった」と釈明する事態となった。

一方、保守派の政治評論家や著名インフルエンサーからは、「公の放送で国旗損壊を相対化する発言は軽率」「国家の象徴に対する敬意を欠いている」との批判が相次いだ。さらに、竹山氏が出演する複数の企業広告の投稿欄にも「スポンサーはこの発言をどう考えるのか」といったコメントが寄せられ、企業側が対応を協議する事態にまで発展している。

この問題の背景には、「国家の尊厳」と「表現の自由」という相反する価値の衝突がある。国旗を守ることを「国家への敬意」とする立場がある一方、表現活動の一環として国旗を扱う芸術家やパフォーマーからは「表現の一部が犯罪化されるおそれがある」との懸念が出ている。刑法学者の一人は「国旗損壊をどの程度まで処罰対象とするか、その線引きが非常に難しい」と指摘する。

Tittiby Japan News取材班の調べでは、今回の法案には自民党と維新の会の一部議員による修正協議が進行中で、外国旗に対する扱いも含めた「包括的象徴保護法」として再整理する動きもあるという。一方で、憲法学者らからは「刑罰を伴う規制は、思想の自由に踏み込みかねない」として慎重な審議を求める意見書が提出されている。

SNS上では「愛国か表現の自由か」「罰則より教育を」「国旗を守ることと信条の自由は別」といった投稿が入り乱れ、賛否両論の構図が鮮明になっている。竹山氏の発言は、政治的中立を保ちながらも議論を投げかけたものとみられるが、SNSの分断的な空気の中で極端な意見が先行した形だ。

現時点で、放送局側は番組内での発言内容の切り取りや拡散に関して「意図的な誤解を生む表現があった」として、一部説明補足を行う方向で検討している。竹山氏自身は「対立ではなく、冷静な議論を求めたい」とコメントしており、炎上後もなお沈静化の兆しは見えていない。

国家の象徴と個人の表現——。その狭間で揺れる「国旗損壊罪」をめぐる論争は、芸人の一言から始まり、今や日本社会の思想的分岐を映す鏡となりつつある。

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