
愛知県警は7日夜、名古屋市中川区の居酒屋敷地内で泥酔状態にあった元プロ野球選手・山下斐紹(やました・あやつぐ)容疑者(32)を、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。警察によると、店員が山下容疑者の体調を心配して救急要請を行ったところ、到着した救急隊員に対し胸を突き飛ばすなどの暴行を加えた疑いが持たれている。
愛知県警中川署の発表によると、事件は7日午後10時過ぎに発生。現場は飲食店が立ち並ぶ住宅街の一角で、当時山下容疑者は相当量のアルコールを摂取していたとみられる。通報を受けた救急隊が駆け付けた際、山下容疑者は興奮状態にあり、制止に入った隊員の胸を押して転倒させたという。隊員に大きなけがはなかった。
警察官が駆け付け、その場で公務執行妨害の疑いで逮捕。山下容疑者は取り調べに対し、「覚えていない」「そんなつもりはなかった」と供述しており、一部の容疑を否認している。アルコール検査では基準値を大幅に上回る値が検出されたという。
山下容疑者は福岡ソフトバンクホークスや東北楽天ゴールデンイーグルスに所属した元プロ野球選手で、捕手として一時は一軍出場経験もあった。引退後は地元・名古屋市内で会社員として勤務していたが、2024年9月にコカイン所持の疑いで逮捕され、名古屋地裁から懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を受けたばかりだった。
今回の事件は、その執行猶予期間中に発生したもので、司法関係者の間では「再犯と認定されれば猶予取り消しの可能性が極めて高い」との見方が出ている。
警察は当時の飲酒量や同行者の有無を詳しく調べており、事件発生前の行動履歴を捜査中。居酒屋関係者によると、「最初は普通に飲んでいたが、途中から声が大きくなり、店員に絡むような様子も見られた」と話している。
山下容疑者は現役時代、身体能力と強肩で注目され、プロ入り当初は「次世代の正捕手候補」として期待されていた。だが、度重なる不祥事や素行問題で球界を離れ、その後は一般企業に勤めながら社会復帰を目指していたとみられる。
SNSでは今回の逮捕を受け、「またやってしまったのか」「せっかくチャンスをもらったのに残念」「もう野球の世界には戻れないだろう」といった厳しい声が多く寄せられている。一方で、「本人の更生を願う」「支えてくれる人が必要だ」といった意見も少なくない。
愛知県警は、山下容疑者の精神状態や再犯の動機を慎重に分析しており、事件の経緯を詳しく調べる方針。検察関係者は「前回の判決からわずか1年での事件は重く受け止めざるを得ない。猶予取り消しと実刑の可能性も視野に入る」としている。
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