「オスシダイスキマン」4着も存在感 大井競馬を沸かせた“ネタ馬”の真価

東京都品川区の大井競馬場で11月10日に行われた第1レースで、3歳牡馬「オスシダイスキマン」がファンの注目を一身に集めた。

ユニークな馬名に相応しく、レースでも中団から力強く脚を伸ばし、勝ち馬から2馬身差の4着に健闘。単勝オッズ39.3倍の5番人気ながら着実に賞金を獲得し、その健闘と名前のインパクトがSNSで大きな話題となった。

この馬を管理するのは栗田泰昌調教師。「前走よりも反応は良かった。内容としては次につながる」とコメント。勝利こそ逃したものの、直線で見せた末脚に手応えを感じた様子だ。馬主の酒井孝敏氏が所有する同系統の馬「オニクダイスキマン」もかつて話題を呼んだ存在で、ファンの間では「兄弟馬」「命名センスが天才的」などと称賛の声が相次いでいる。

X(旧Twitter)では、「オスシダイスキマン」がトレンド入り。

日刊競馬が投稿した公式ポストには1万6000件を超える「いいね」が集まり、「ネーミングセンスが最高」「馬券は外したけど推したい」「4着でも心は満腹」といったコメントが相次いだ。中には「馬主の食の好みがダイレクトすぎる」「次は“サーモンダイスキマン”を希望」といったユーモラスな投稿も見られ、ネット上で“寿司ブーム競走馬”として急浮上している。

競馬業界では近年、ユニークな馬名がSNSで話題となり、若年層の関心を集める新しい現象が広がっている。過去には「キミワクイーン」や「ナンデヤネン」などの個性的な名馬がトレンドを飾り、出走結果を超えた“話題性マーケティング”の一端を担ってきた。

競馬評論家の川嶋亮氏は「かつては血統や実績で注目される馬が中心だったが、今は“名前で覚えてもらう”時代。SNSで話題になることで、競馬そのものへの興味を広げる効果がある」と指摘する。

オスシダイスキマンは、デビュー以来まだ勝利を挙げていないものの、ファン層の広がりという点では既に大きな成果を上げている。栗田厩舎関係者によれば「前走後の反応が非常に良く、調教での動きも上々。次走では掲示板以上を狙いたい」としており、ファンの期待は高まるばかりだ。

また、同馬主の酒井氏が以前所有した「オニクダイスキマン」との“兄弟構想”にも注目が集まる。両馬の名前の共通点に着目したファンが“食のシリーズ”としてタグ投稿を行い、X上では「#ダイスキマンシリーズ」が誕生。トレンド文化の中で競馬が再び“エンタメコンテンツ”として拡散されている。

一方で、馬名審査を管轄する日本軽種馬登録協会によれば、年間約7000頭の登録申請のうち、審査を通過しない名前は全体の2割に上る。命名には18文字以内・公序良俗違反の禁止など厳格な基準があり、「オスシダイスキマン」はその制約の中で“ギリギリを攻めた発想力”として高い評価を受けているという。

競馬界では、近年の馬名トレンドとして「感情や嗜好をそのまま表す名前」が増加しており、SNS世代への訴求を意識した命名戦略が進む。JRA関係者は「馬券購入層だけでなく、名前や見た目で競馬に興味を持つ層が増えている。これは業界にとって新たなチャンス」と分析する。

11月10日の大井競馬場は秋晴れに包まれ、観客席からは「オスシー!頑張れ!」と声援が飛び交った。結果は4着ながら、ゴール前で粘りを見せた走りは、単なるネタ馬では終わらない確かな脚質を印象づけた。

ファンの間ではすでに「寿司ダイスキシリーズ第3弾を見たい」と期待の声も上がっており、異色の存在が地方競馬に新たな風を吹かせている。

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