青梅市今井小学校でハチ被害 授業中にクロスズメバチに刺され22人搬送 市教委が安全対策を強化へ

東京都青梅市の市立今井小学校で2025年10月23日午前9時半ごろ、1年生の生活科授業中に児童と教員がクロスズメバチに刺される事故が発生した。市教育委員会によると、児童20人と教員2人の計22人が被害に遭い、全員が病院に搬送された。いずれも意識はあり、軽傷とみられる。

■ 授業中に落ち葉拾い中の児童が被害

事故が起きたのは、青梅市立今井小学校の校庭近くの敷地内で、1年生の児童が生活科の授業の一環として落ち葉拾いをしていた際だった。児童が地面に落ちていた木の根元付近を触ったところ、地中にあったクロスズメバチの巣を刺激したとみられる。

突然飛び出した複数のハチが児童や教員を襲い、次々と刺したという。刺された児童や教員はすぐに校舎内に避難し、学校側が119番通報した。

救急隊が駆けつけ、被害に遭った計22人が市内の病院へ搬送された。医師の診察の結果、全員が軽症で命に別状はないと確認されている。アナフィラキシーなどの重篤な症状を示した児童はいなかったという。

■ 巣はすでに駆除済み

市教育委員会の発表によると、事故の原因となったハチの巣は地中に作られており、外からは確認しにくい状態だった。事故後、専門業者が現場を確認し、巣はすでに駆除された。

現場付近ではこれまで同様の被害報告はなかったが、教職員の巡回点検で巣の存在を事前に把握できなかったことが分かっており、市教育委員会は「確認体制に不十分な点があった」と説明。今後は学校敷地内や通学路での安全確認を強化する方針を示した。

■ 教育委員会の対応と今後の対策

青梅市教育委員会は23日午後、緊急の会見を開き、「児童・保護者の皆様にご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます」と謝罪した上で、再発防止に向けた取り組みを発表した。

具体的には、市内すべての小中学校で秋季期間中に敷地内外の草むらや樹木の根元を点検し、ハチの巣の有無を確認するほか、教員向けに「野外活動時の危険生物対応マニュアル」を再徹底する。また、外部専門家による安全指導を受け、児童にも自然体験学習時の危険回避を指導するという。

■ クロスズメバチとは

クロスズメバチは体長1センチ前後の比較的小型のハチで、地中や木の根元などに巣を作る習性を持つ。スズメバチ類の中でも攻撃性が高く、巣を刺激すると一斉に飛び出して刺すことがある。特に秋から初冬にかけて活動が活発化し、被害が増える傾向にある。

東京都内では例年、ハチ刺されによる救急搬送が数百件報告されており、特に学校や公園など自然の多い地域では注意が呼びかけられている。

■ 現場の様子と児童の対応

事故当時、現場にいた児童の多くはすぐに担任の指示で校舎内に避難。保健室で応急処置を受けた後、順次救急搬送された。学校では事故直後から保護者への連絡を行い、迎えのための臨時対応を取った。授業は一時中断されたが、午後には安全確認の上で再開されたという。

青梅市教育委員会は「児童らが落ち着いて避難できたことが被害の拡大を防いだ」として、教職員の迅速な対応を評価している。一方で「校内での安全確認体制をより厳格にし、同様の事故が二度と起きないよう努める」としている。

■ 今後の見通し

青梅市は今回の事故を受け、市内のすべての公立学校や保育園に対し、環境点検の徹底を求める緊急通達を出した。

教育委員会では、「地中や落ち葉の下など、外見から分かりにくい巣もあるため、専門業者と連携した巡回点検を定期的に実施する」としている。

また、市は住民にも注意を呼びかけており、「秋季はハチが攻撃的になる時期。見慣れないハチの巣を見つけた場合は、絶対に近づかず、市や消防に通報してほしい」としている。

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