
日本各地で、指定薬物「エトミデート」を混入した違法たばこ、通称「ゾンビたばこ」の乱用が深刻化している。沖縄で最初に確認されたこの危険ドラッグは、現在では首都圏や近畿圏などへも流通が広がり、特に若年層の間で問題が拡大している。
捜査当局はこのほど、中国籍の男性を麻薬特例法違反(密輸)容疑で全国初の逮捕・起訴に踏み切った。組織的な密輸ルートを介して国内に持ち込まれた疑いがあり、警察庁や税関、厚生労働省などは国際的な供給網の実態解明を急いでいる。
「ゾンビたばこ」に含まれるエトミデートは、本来、医療現場で全身麻酔薬として使用される成分。中枢神経を抑制する作用があり、過剰摂取するとけいれん、意識障害、呼吸抑制などを引き起こす危険性がある。現場では使用後に意識を失い“ゾンビのように”ふらつく様子が撮影され、SNSで拡散されたことから、この俗称が定着したとされる。
警察関係者によれば、製品は紙巻きたばこの形状を模しており、インターネットを通じて密売・拡散されているケースも確認されている。製造・流通経路は東南アジア圏からの密輸が中心とみられ、暴力団や海外犯罪組織の関与も疑われている。
一方で、こうした製品を“合法”と誤認して購入・使用する若者も少なくなく、行政は注意喚起を強化。厚生労働省は「成分や製造ルートが不明な製品の使用は極めて危険」として、SNSなどを通じた情報共有の徹底を呼びかけている。
「ゾンビたばこ」問題は、違法薬物の新たな形として国内社会に波紋を広げつつある。
今後の焦点は、密輸網の解体と、若年層への拡散防止策の確立に移っている。
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