諏訪之瀬島・御岳火口で噴火 噴煙1,100m、南西へ流向 —火山観測報で注意喚起

鹿児島県十島村の諏訪之瀬島にある御岳(おたけ)火口で、2025年11月6日19時52分頃、噴火が確認された。噴煙は火口上約1,100メートルまで上昇し、南西方向へ流れたという観測報告が気象庁より発表された。

この島はトカラ列島に位置し、長年にわたって活発な噴火活動を続けている常時観測火山で、火口周辺地域は「噴火警戒レベル2(火口周辺規制)」が継続中である。気象庁は「御岳火口中心から概ね1.5 kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描く大きな噴石に警戒が必要です。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで降るおそれがあり、地元自治体等の指示に従ってください」と注意を呼びかけている。 

今般の噴火では、噴煙高度1,100メートルという観測値が示されており、過去の同火山で観測された1,300〜1,600メートルを下回るものの、活発な噴煙活動が継続していることを改めて裏付けるものである。 

島内での人的被害や建物被害などの報告は現時点で出ておらず、気象庁も「今回の噴火に伴う大規模な火砕流や溶岩流の発生は現時点で確認されていない」としている。ただし、噴石や火山灰が風上・風下で広範囲に影響を及ぼす可能性があることから、周辺地域に住む住民に対しては引き続き警戒が必要となる。

地質調査や防災研究の枠組みでは、諏訪之瀬島(御岳火口)ではストロンボリ式や小規模ブルカノ式の爆発的噴火が継続的に観測されており、1950年代以降、ほぼ毎年噴火を繰り返してきたという記録がある。  過去例では、噴石が1 km以上飛散したケースも確認されており、油断できない火山活動の型でもある。

また、GNSS観測や傾斜計データからは、2024年10月以降、島の西側やや深部でマグマの蓄積を示唆する微弱な変動が認められており、火山活動の活発期に入る前兆とみられている。 

今回の噴火を受け、十島村を含む行政機関および自治体は、避難準備態勢の再確認と広報対応を行っており、島内全域および隣接海域での注意喚起が強められている。火山灰による空港・港湾の影響、海面上の視界低下や船舶航行への支障なども懸念されるため、住民・関係者は最新情報に留意するよう求められている。

今後の予測として、気象庁は「爆発的噴火の回数や規模が増える可能性を完全に否定できない。このため、御岳火口周辺1.5 km以内への立ち入りは引き続き規制し、風下側地域における火山灰・噴石被害の可能性に備えてほしい」としている。 

このように、諏訪之瀬島・御岳火口では日常的な噴火活動が続いており、今回もその範疇と言えるものの、予断を許さない火山活動という現実が改めて浮き彫りとなった。島民・関係自治体・防災関係者が一体となって「次の段階」に備える必要がある。

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