GMOインターネットグループ(東証プライム:9449)は1月28日、連結子会社であるGMOフィナンシャルホールディングス(東証スタンダード:7177、以下GMO-FH)のタイ証券子会社「GMO-Z com Securities (Thailand) Public Company Limited」(以下、GMOタイ)が、全事業を廃止すると発表した。27日に開催された取締役会で決定したもので、同社は事業廃止後、解散・清算手続きを進める方針だ。
信用取引不正が招いた経営悪化
GMOタイは、2017年11月に「タイ国内の信用取引残高シェアNo.1」を目標に掲げて設立された。順調に信用取引残高を拡大し、2020年12月期には通期黒字化を達成。しかし、2022年11月に発覚した信用取引の不正取引が事態を一変させた。
この不正取引では、信用取引の担保として受け入れた代用有価証券を巡る問題が発覚。信用取引の主軸を担っていた大口顧客や、特定銘柄への貸付集中が影響し、多額の貸倒引当金を計上せざるを得ない状況となった。以降、GMOタイは信用リスク管理の見直しや新規貸付の全面停止、ロスカット基準の厳格化といった再発防止策を講じたが、赤字が続いた。
2024年12月20日には、ついに信用取引サービスの提供を終了。現物取引の継続や新規ビジネスの模索も試みたが、黒字化の見通しが立たないと判断し、全事業の廃止を決断した。
GMOタイの財務状況と今後の影響
GMOタイの2023年12月期の決算は、総資産約1,203億円、資本合計約78億円、売上高約51億円、当期純損失は約23億円と、厳しい状況が続いていた。2021年の黒字決算(約12億円)から一転し、2022年以降は赤字が定着。2024年9月末時点で約174億円あった信用取引貸付金も、信用取引サービス終了に伴い回収が進められたものの、12月末時点では約110億円が未回収のままとなっている。
GMO-FHでは、この債権について不動産担保の受け入れや約定弁済契約への切り替えを進めているが、対応しなかった顧客に対しては強制決済を実施。今後の債権処理の詳細は、2025年2月4日に発表予定の決算説明資料で開示するとしている。
影響は限定的と判断
GMOは今回の事業廃止が2024年12月期の連結業績に与える影響について「軽微」との見解を示している。ただし、信用取引サービス終了後も続く貸倒リスクがどこまで連結決算に響くかは不透明な状況だ。
タイ市場での撤退は、GMOグループの金融戦略において大きな転機となる。国内外の規制強化が進む中、GMO-FHの今後の動向が注目される。 #撤退 #ビジネス
コメント