繊維・機能資材メーカーのユニチカ株式会社(大阪市中央区)は14日、2025年3月期の連結決算を発表し、親会社株主に帰属する最終損益が242億円の赤字(前期は54億円の赤字)に拡大したことを明らかにした。主力の高分子事業が黒字転換した一方、構造改革に伴う大規模な減損処理を行ったことが響いた。
売上高は1,264億円と前年同期比6.8%増。営業利益は前期の赤字(24億円)から黒字化し、58億円を計上した。だが、保有資産の回収可能性を見直した結果、約393億円の事業構造改善費用を特別損失として計上。この影響で経常利益は47億円を確保したものの、最終赤字は大幅に膨らんだ。
同社は2024年11月に地域経済活性化支援機構(REVIC)の支援を受け、最大430億円規模の金融支援を盛り込んだ事業再生計画を公表。2025年2月には臨時株主総会を通じて再生計画を正式承認し、不採算事業からの撤退や資産圧縮、組織再編を進めてきた。
高分子事業は、フィルムや樹脂の価格改定と販売量の回復により、売上高が553億円(前年同期比8.5%増)となり、営業利益は60億円(前年は6億円)と大幅に増加。機能資材事業も電子材料や不織布の販売回復が進み、営業損益が黒字に転換。繊維事業は需要低迷の影響で依然として赤字だったが、赤字幅は縮小した。
財務体質も大きく変化した。資産圧縮により総資産は1494億円(前期末比369億円減)まで減少。純資産は162億円となり、自己資本比率は10.4%に後退。なお、2025年4月30日付でREVICへの第三者割当増資を通じて約200億円を調達し、あわせて既存の種類株式を全消却する資本再編も実施済み。
同社は、「収益構造の立て直しを最優先」としたうえで、将来的には高分子や機能資材を中核に据えた事業ポートフォリオへの転換を図る。2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円の達成を目指す。
2026年3月期業績予想については、構造改革中の不確定要素が多いことから「未定」としている。
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