計画倒産の綱渡り経営 法の目をすり抜けたつもりが、待っていたのは裁きの舞台

「破産は経営者の権利である」——そんな言葉を盾にした“計画倒産”が、一部の企業で後を絶たない。しかし、綱渡りのように慎重に仕掛けたつもりでも、法の目は甘くない。結果として待ち受けるのは、裁判所という舞台での不正の暴露である。

計画倒産とは、企業が意図的に財産を隠したり、一部の取引先だけに支払いを済ませ、その他の債権者を無視して自己破産する手法を指す。一見すると、法的に成立してしまうこともあるが、その多くは破産法や詐欺罪に抵触する可能性がある。「計画」という言葉の響きが何とも皮肉で、緻密なプランのつもりが、あっけなく“犯罪計画”として仕上がることも少なくない。

◆計画倒産はなぜ問題なのか

最大の問題は、誠実に取引をしてきた関係者を巻き込む点にある。ある中小企業の経営者は、「仕入れ代金の支払いが数カ月滞っていたが、『もう少し待ってほしい』と言われ、信じていた。だが、気が付けば倒産し、連絡が取れなくなった」と肩を落とす。このように、信頼関係を逆手に取る手法は、経済社会の根幹を揺るがす。

計画倒産がまかり通ると、誠実な企業が割を食うことになり、ひいては経済活動全体に悪影響を及ぼす。「あの企業と取引して大丈夫か?」という不安が取引市場に広がれば、ビジネスそのものが停滞しかねない。

◆「知らなかった」は通用しない

一部の経営者は、「知らなかった」「やむを得なかった」と弁明するが、裁判では通用しないケースが多い。法は“知らなかった”では済まされない。「気付いていたのに目をつぶった」と判断されれば、民事だけでなく刑事罰が科されることも。特に、破産前に資産を親族名義に変えるなど、露骨な手法はすぐに発覚する。

「善意の第三者に譲渡した」という言い訳も、場合によっては裁判官の失笑を買うだけだ。実際、過去には、倒産直前に高級車や不動産を知人名義にした経営者が、「すべて個人的な贈り物だった」と主張したが、裁判所は「計画倒産の疑い濃厚」と断じた。

◆計画倒産を防ぐには

では、計画倒産を防ぐために何ができるのか。専門家は「平時からの監視が重要だ」と指摘する。取引先の経営状況を定期的にチェックし、少しでも異変を感じたら取引条件を見直すことが求められる。「『最近妙に豪勢な暮らしをしている』と感じたら注意が必要」という、意外なアドバイスもある。

また、取引契約の際に「破産手続き開始前の資産譲渡を禁止する」といった条項を盛り込むことも有効だ。こうした法的措置は、いざという時に債権者の権利を守る盾となる。

計画倒産を目論む企業は、結局のところ「逃げ切れる」と信じている。だが、法の網は想像以上に広く、罠を仕掛ける側がその網にかかることも珍しくない。

「逃げたつもりが、法の舞台で一躍主役に——」計画倒産がもたらすのは、そんな皮肉な結末なのかもしれない。 #ビジネス #破産

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