三菱ケミカルグループ株式会社(4188、東証プライム)は7日、米国ルイジアナ州ガイスマーで検討していたMMA(メタクリル酸メチル)モノマープラントの新設計画を中止すると発表した。同社は2020年12月に土地取得を公表していたが、インフレなどの影響で設備投資額が増加し、取引先との長期契約が成立しなかったことが背景にある。
MMAはアクリル樹脂の原料で、自動車ランプカバーや看板、水族館の水槽、塗料など幅広い用途を持つ。世界の年間需要は300万トンを超え、今後も安定した市場成長が見込まれている。
三菱ケミカルは「新エチレン法(アルファ法)」と呼ばれる独自技術を活用し、米国のシェールガス由来のエチレンを原料としたMMA生産体制の構築を目指していた。ルイジアナ州で建設用地を取得し、フロントエンジニアリング設計や規制の許認可取得を進めていたが、米国テネシー州や他地域に既存設備があることから、当面の需要は既存設備で対応可能と判断した。
加えて、インフレの進行により設備投資額が膨らんだことで採算が悪化し、取引先との交渉も難航。結果的に投資後の長期的な収益が見込めない状況となり、今回の決定に至った。
同社は今後、MMA事業の競争力強化を目指し、生産拠点の新設や統廃合などを通じてグローバルな生産体制の最適化を図る方針だ。2024年11月に発表した「新中期経営計画2029」では、高付加価値製品へのシフトや新規用途の開拓を掲げており、MMA事業の成長戦略を引き続き推進していくとしている。
今回の計画中止により、2025年3月期第3四半期以降で約200億円の損失を計上する見込みだ。同社は「業績予想の修正が必要な場合は速やかに公表する」としている。
なお、2024年11月に公表された2025年3月期の連結業績予想では、売上収益4兆4700億円、コア営業利益2900億円、営業利益2180億円を見込んでいるが、今回の損失がどの程度影響を与えるかは現時点で精査中だ。
2024年3月期の連結実績は売上収益4兆3872億円、営業利益2618億円。当期利益は1784億円だった。 #三菱ケミカル #事業 #ビジネス
コメント