被害弁済の意志崩れ、関係者「信頼失われた」
詐欺事件で実刑判決を受けた渡邊真衣受刑者の更生と被害者への弁済を目的に設立された合同会社「いぬわん」が、今年7月末をもって解散する方針を固めたことが1日、関係者の発表で明らかになった。。渡邊受刑者が拘置所内で反社会的勢力関係者とされる人物と関係を深めていたことが明らかになり、支援の継続は困難と判断された。
いぬわんは、渡邊受刑者の弁護人を務めていた草下シンヤ氏と立花奈央子氏によって設立された合同会社で、渡邊受刑者が執筆するnote記事などから得た収益をもとに、被害者への弁済と税金の滞納分を支払うスキームが構築されていた。弁護人らは米国に存在する「サムの息子法」(Son of Sam law)を念頭に、加害者の犯罪に関する表現活動から生じた利益を被害者に還元することを目指していた。
関係者によると、渡邊受刑者といぬわんとの間にはマネジメント契約が締結されており、受刑者が得た収益は一度会社に入金され、税理士費用等を除いた後にその半額を業務委託料として計上。だが、これも国税局により差し押さえられており、最終的に納税義務の履行に充てられていた。残る収益は被害者弁済に回す仕組みで、弁護人らは一切報酬を受け取っていないという。
これまでの収益は、noteからの入金が約258万円、弁護人らが登壇したイベント等による入金が約11万円に上る。関係者は「全額を国税および被害者への弁済にあてる」と説明していた。
事態が変化したのは昨年夏。2024年8月30日、草下氏のもとに届いた渡邊受刑者からの手紙の中で、「ベトナム人との婚姻はすぐに解消できないが、他の人物との結婚を考えている」と記されていた。手紙には実名を伏せつつも、暴力団組織と関わりのあるとされるX氏との交際を綴る記述が散見され、「シャブの塊」や「チャカ(拳銃)」の写真を受け取ったこと、詐欺や強盗の仕組みに関与していたという内容まで含まれていた。
いぬわんの関係者は、「いかなる恋愛や結婚をするかは個人の自由」としつつも、「被害弁済と反社との交際は両立し得ない」との認識を示している。現に、この頃からnoteの新規投稿は一時停止され、いぬわんの運営体制も不安定化していった。
その後も渡邊受刑者からは「支援に感謝している」「いぬわんを続けたい」とする旨の手紙が届いていたものの、同年12月26日、立花氏に届いた手紙では、「現支援活動のすべての停止および解散を申し立てます」との強い意思が表明された。「私は人生を人任せにしすぎた」「幻を追い続け、現実逃避していた」など、自責的な言葉も記されていたが、その中でX氏の口座に収益を振り込むよう求める文面も確認され、「応じない場合は横領として法的措置を取る」との警告まで綴られていた。
弁護人らは、これまで渡邊受刑者との間で何度も文書や面会を通じて説明を重ね、合意のもとに支援活動を進めてきた。役員報酬の不受領や収支の透明化も徹底されていたという。しかし、受刑者の支援に対する姿勢が大きく揺らいだ今、支援活動そのものが成立し得ないとの判断に至った。
いぬわん側は、今後の対応として、既に国税との間で調整済みの税金の納付手続きを進めつつ、弁済先が判明している被害者1名への支払いを実施する意向だ。なお、残る2名の被害者とは、東海テレビとの手記返還の問題により連絡が取れず、裁判終了後も情報の取得が困難な状況にあるという。
いぬわんでは、被害弁済を希望する関係者に対し、今年4月30日までに「goudouinu01@gmail.com」までの連絡を呼びかけている。期日を過ぎた場合、法人そのものが解散となり、第三者弁済は不可能となるため、該当者への早急な連絡が求められる。
信頼に基づいた更生支援の取り組みは、わずか一年余りで頓挫することとなった。反社会的勢力との接触という現実の前に、理念だけでは越えられぬ壁があることを、今回の一件は物語っている。 #事業 #ビジネス #ニュース
弱いにわか雨


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