One Capital、「Japan SaaS Insights 2025」発表 AI融合と市場成熟を詳述

SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)分野に特化したベンチャーキャピタル、One Capital株式会社(本社・東京都港区、浅田慎二CEO)は2日、国内SaaS市場の動向や予測をまとめた年次レポート「Japan SaaS Insights 2025」を公開した。AI技術との融合が急速に進む中で、スタートアップの資金調達、上場企業の評価指標、今後のトレンドなど多角的に分析している。

同レポートは、SaaS市場の民主化を掲げ、One Capitalが年1回発行しているもので、今回は2024年に提示した市場予測の検証も盛り込まれた。その中では、SaaS企業の多くがAI技術を組み込む「Embedded AI企業」への転換を進め、前年比2倍以上となる90サービスがAIを活用したと指摘。また、セキュリティやプライバシー保護に関連するスタートアップへの投資増、農業や化学業界でのバーティカルSaaSの台頭、カーボンニュートラル対応を担うClimate Techの資金調達実績などを、予測通りと総括した。

国内SaaS市場は2024年に1.4兆円とされ、2028年には2兆円規模へと緩やかな成長が見込まれている。一方で、2024年のSaaS系スタートアップの資金調達総額は前年比5%減の1357億円。バブル的過熱感が落ち着きを見せ、健全な市場への移行が進んでいると分析している。

調達額上位には、SmartHR(100億円)、ダイニー(75億円)、ログラス(70億円)などミドル・レイターステージの企業が並び、1社あたりの平均調達額も前年比14%増の5.8億円に達した。

上場企業の市場評価に関しては、国内SaaS企業のPSR(株価売上倍率)は中央値で3.6倍、米国の6.1倍と比較して依然割安な水準にあると指摘。営業利益率と成長率を合算した「Rule of 40」では、日本企業が33.1%と米国(15.2%)を大きく上回っており、「成長性と収益性のバランスは日本企業の方が良好であるにも関わらず、評価が追いついていない」としている。

2025年の市場予測では、AIエージェントによる対話型インターフェースの普及を挙げ、従来のフロントエンド不要の開発モデル「Agent as a Service」が浸透すると予測。また、AIを活用した業務自動化・最適化ツールの拡大、スタートアップにおけるセカンダリー取引やM&Aの活発化も見込んでいる。

同社は、「SaaS市場の構造変化は今後さらに加速する。成長企業の真価が評価される環境整備が急務だ」としており、今後の投資動向にも注目が集まりそうだ。

レポートは公式サイト(https://onecapital.jp)よりダウンロード可能。スタートアップ関係者や投資家を対象に、情報発信やイベント告知も強化する方針としている。 #事業 #ビジネス #ニュース

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