東証プライム上場の日機装株式会社(コード:6376)は5月29日、同社が2021年以降争っていたタックス・ヘイブン対策税制に基づく更正処分をめぐる訴訟で、東京地方裁判所の敗訴判決を不服とし、東京高等裁判所に控訴したと発表した。

問題となっているのは、同社の連結子会社グループ「Clean Energy & Industrial Gas(CE&IG)グループ」に属する外国子会社3社に対する税制適用の可否だ。国税当局は、これら外国子会社がタックス・ヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないと判断し、親会社である日機装インターナショナル株式会社(旧・Nikkiso America)の2018年度事業所得に対し、法人所得税の更正処分を下した。
日機装はこの判断を不服として、2021年10月に国税不服審判所へ審査請求を行ったものの、2022年9月に棄却。2023年2月には東京地裁に取消訴訟を提起していた。しかし、2025年5月16日、同地裁は日機装の請求を認めず、原処分を維持する判決を下した。
同社はこれを受けて「到底承服できるものではない」として、同年5月29日付で東京高裁に控訴。「当社の正当性を改めて主張する」との方針を明らかにした。
なお、本件に関しては2021年12月期において法人税等約17億円をすでに計上・納付済みであり、現時点で追加納税等のリスクは生じていない。今後、訴訟の進展次第では財務・業績に一定の影響が及ぶ可能性もあるが、同社は「重要な開示事項が発生した場合には速やかに情報提供する」としている。
海外子会社を巡る税務問題は、グローバル展開企業にとって避けて通れない課題の一つ。今後の高裁判断が、同様のケースへの判例的影響を与える可能性もある。
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