シャープ、AI映像処理デバイス向け高位合成ツールを開発 回路設計を革新、電力効率はGPU比40倍

シャープ株式会社(本社・大阪府堺市)は30日、エッジ領域におけるAI映像データ処理の普及を目指し、Pythonコードからハードウェア回路図(RTLコード)を自動生成できる高位合成ツールを開発したと発表した。ツールは本日よりオープンソースソフトウェア(OSS)として一般公開されており、専門知識を持たない開発者でもAIデバイスの回路設計が可能となる。

この開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「省エネAI半導体及びシステムに関する技術開発事業」の一環で行われたもの。シャープが開発した本ツールは、AI映像処理アルゴリズムをPythonで記述するだけで、集積回路(FPGAなど)向けの設計図を迅速に生成でき、回路開発のスピードと効率を飛躍的に向上させる。

実証実験では、同ツールを用いて生成されたRTLコードをFPGAに実装し、GPU搭載の一般的なエッジ端末と比較。その結果、電力効率で40倍以上という圧倒的な差を確認したという。

回路設計の民主化と脱GPUの流れ

高位合成ツールは従来、複雑なハードウェア記述言語(HDL)の習得が必要とされていたが、今回のシャープ製ツールはPythonベースで設計可能な点が最大の特徴。AI開発者やデータサイエンティストなど、ソフトウェア志向の人材でも、容易にエッジAIチップ向けの開発が行えるようになる。

加えて、FPGAを活用した高効率なエッジ処理は、電力制約が厳しいIoT機器やスマート監視カメラなどの分野で需要が高まっており、GPU依存からの脱却という観点でも注目される。

シャープは今後、同ツールを中心にした開発環境を拡充し、パートナー企業や開発コミュニティとの連携を深めていく方針だ。半導体開発の民主化と省エネ性能の両立を実現する今回の取り組みは、ポストGPU時代を見据えた新たな設計パラダイムとして、大きな転機となる可能性を秘めている。

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