【南米訴訟】日本農薬、連結子会社が4500万レアル(約13億円)の賠償命令 ブラジルで重武装強盗事件めぐる係争泥沼化へ

農薬メーカー大手の日本農薬株式会社(東証プライム・コード4997)は6月24日、同社の連結子会社「Sipcam Nichino Brasil S.A.(SNB)」が関わったブラジル国内での損害賠償訴訟について、判決が下されたことを明らかにした。被告側であるSNBに対し、原告企業である「FMC QUÍMICA DO BRASIL LTDA.(以下、FMC)」から求められていた4500万レアル(日本円換算で約13億円)もの損害賠償請求について、ブラジルの裁判所はこれを全面的に認容。利息および訴訟費用の支払いも含めるかたちで、SNBに対して全面的な支払い命令を下した。

発端は、2023年7月26日にブラジル・サンパウロ州カンピーナス市で発生した重武装強盗事件に遡る。この事件では、SNBがFMCから受託して包装作業を行っていた製品が襲撃を受け、全量が持ち去られたとされる。被害品の多くは農業用薬剤であり、同国において高値で取引されるものだった。これを受け、FMCは同年10月10日付で、SNBに対して総額4500万レアルの損害賠償を求める訴訟を提起。5月14日、裁判所はFMCの主張をおおむね認め、SNBに対して全額支払いを命じた。

判決の内容を受け、日本農薬の岩田浩幸社長率いる取締役会は同日付で控訴を決議。管理本部総務・法務部長の吉岡正樹氏は「契約上の責任範囲について、我々と原告側で大きな認識の隔たりがある」と述べ、引き続き法廷で争う構えを見せている。

もっとも、訴訟の舞台は日本から遠く離れた南米。裁判制度や法解釈の相違、さらには警備・治安上の不確実性も相まって、SNB側にとっては極めて分が悪い情勢との見方も出ている。実際、現時点では控訴審の動向や結論によっては、日本農薬本体の財務や収益にも相応の影響が及ぶ可能性がある。

同社では「損害賠償の有無や最終的な金額について、現時点で合理的な見積もりは困難」としており、今後の進展次第では追加開示を行うとしている。

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