ナウル政府観光局、担当者の「レスバ」騒動で謝罪 “1時間利用停止”処分に賛否

2025年10月8日、南太平洋の島国・ナウル共和国の政府観光局公式X(旧Twitter)アカウントが、担当者による不適切な応答を理由に謝罪投稿を行った。担当者が批判的コメントに対し反論を繰り返し、いわゆる「レスバトル(レスバ)」状態に陥ったことでフォロワーに不快感を与えたという。観光局は同日、「厳重注意」および「1時間のX利用停止」という処分を行ったと発表した。

「厳罰」としての“1時間停止”

同観光局は日本時間22時27分に次のように投稿した。

【お詫び】
Twitter(現X)担当者が、いただいた御苦言を批判してしまい、またレスバを続け、フォロワーの皆様にも不快な思いをさせていたことが判明しました。今後、このようなことがないように、担当者に厳重注意をし、一時間のTwitter(現X)停止の厳罰に処しました。重ねてお詫び申し上げます。

この投稿は瞬く間に拡散し、国内外のフォロワーから賛否両論が相次いだ。
フォロワーからは「1時間でいい」と軽妙にコメント。別のユーザーは「謝罪不要、ブロックでいい」と擁護した。一方で、さらに別のユーザーは「見苦しかった」と苦言を呈しつつも、「正直で良い」とフォローした。

炎上から一転、好感度上昇

観光局の投稿は、問題発覚後わずか数時間で行われたもので、対応の迅速さも功を奏した。
その後約1時間、実際に投稿が途絶えた後、同局は再び活動を再開。冷静な対応と謝罪の誠実さから、炎上には発展せず、むしろ「人間味ある運営」として称賛する声が広がった。

専門家の間では、この“軽妙な謝罪劇”が広報戦略上むしろプラスに働いたとの見方もある。
SNS危機管理に詳しい法曹関係者の一人は次のように語る。

「企業や政府機関がSNS上で感情的な反応を見せることは一般的にリスクだが、今回は自省とユーモアを交えた形式で火消しに成功している。形式的な謝罪よりも、担当者の“人間らしさ”を許容する文化にマッチした事例といえる」(都内弁護士)

背景にナウルの特殊事情

ナウル共和国は人口約1万人、面積21平方キロメートルという世界最小規模の国家。SNSを通じた広報に力を入れてきた。
ただし同国をめぐっては、近年の中国との関係強化や、豪州による難民収容施設問題など、国際的に賛否を呼ぶ政策が注目されており、公式アカウントには国内外から厳しい声が寄せられることも多かった。

外交分析を行う専門誌「Lowy Institute」も、ナウルが中国との関係転換後にSNS上で批判を受けやすくなっていると指摘。
今回の「レスバ騒動」も、こうした政治的緊張や誤解の積み重ねの中で生じたものとみられる。

SNS文化と“人間らしい”公式

SNS文化に詳しいメディア評論家は次のように指摘する。

「日本では公式アカウントが“中の人”を匂わせる投稿に好意的な反応が集まる傾向がある。今回のナウル観光局もその文脈で受け止められている。一方で、外交問題や国家間の話題に発展する危険性も孕むため、今後は線引きが求められる」

現在、観光局は「批判への反応を控え、観光・文化のポジティブな情報発信に専念する」との内部方針を示しているという。

編集部から

本紙編集部はこの件についてナウル共和国政府観光局に取材を申し込んでいるが、記事執筆時点(10月9日20時現在)までに回答は得られていない。
今後も同局の対応やSNS運用方針の変化を注視していく。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

アーカイブ