
東京都港区のアメリカ大使館近くで10月24日午後、刃物を所持した男が警察官に職務質問を受けた際に抵抗し、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。男はその場で機動隊員に取り押さえられたが、隊員1人が負傷した。
事件は、トランプ前大統領の来日を3日後に控え、都内で警備体制が強化されている最中に発生。警視庁は背後関係を含め、慎重に捜査を進めている。
■ 港区・アメリカ大使館前で発生
警視庁によると、事件が起きたのは24日午後2時ごろ。
港区赤坂1丁目のアメリカ大使館前の歩道付近で、不審なバッグを持って歩いていた男に機動隊員が職務質問を行った際、男のバッグから刃渡り約15センチの包丁が落下した。
隊員が安全確認のため所持品検査を試みたところ、男が突然暴れ出し、もみ合いになったという。
この際、隊員の右腕に切り傷が生じ、軽傷を負った。男はその場で制圧され、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。
■ 男は30代とみられる 所持品に複数の刃物
逮捕されたのは、東京都内在住とみられる30代の男。身元の詳細は現在確認中だが、バッグの中からは複数の刃物が見つかっている。
男は警察の調べに対し、「自分の身を守るために持っていた」などと供述しており、現時点では明確な犯行動機は確認されていない。
警視庁公安部と警備部が共同で捜査を進め、男の行動経路や大使館付近にいた理由を調べている。
■ 現場はアメリカ大使館の正門近く
事件現場は、東京都港区赤坂の特別警戒区域内。周囲には警察庁の警備部隊が常駐しており、24日は通常よりも多い警察官が配置されていた。
当時、大使館周辺ではトランプ前大統領の来日に向けた警備強化が進められており、通行人や車両の出入りチェックも行われていたという。
事件発生後、現場周辺は一時封鎖され、爆発物の有無を確認するため警備犬と専門部隊が出動。周辺の安全が確認されたのは午後4時ごろだった。
■ トランプ前大統領来日に向けた厳戒態勢
トランプ前大統領は10月27日に来日予定で、東京都内および千葉県での講演や関係者との会談が計画されている。
今回の事件を受けて、警視庁は「不審者・不審物への警戒を一層強化する」と発表した。
外務省も「在日米国大使館および周辺施設の安全確保のため、関係機関と連携して対応中」とコメントしている。
警察庁関係者によると、今後3日間は都内中心部および空港周辺で警備レベルを引き上げ、機動隊・警備犬・爆発物処理班など約4000人体制での警戒が行われる予定だ。
■ アメリカ大使館「職員・関係者に被害なし」
アメリカ大使館は事件後、声明を発表し、「大使館職員および来館者に被害はなく、通常業務を継続している」と明らかにした。
また、日本の警察当局の迅速な対応に感謝の意を示し、情報共有と警備体制の連携を続けるとしている。
■ 現場周辺の住民・通行人に一時混乱
現場付近では一時、通行人や車両が一時的に規制され、近隣オフィスや飲食店から避難する人の姿も見られた。
現場を目撃した会社員の男性は「突然、複数の警察官が走ってきて男を取り押さえた。刃物が見えて驚いた」と話している。
警察は事件直後から周辺の防犯カメラを解析し、男の移動経路や滞在時間などを詳しく調べている。
■ 警視庁「現時点でテロの可能性は確認されていない」
警視庁関係者によると、現時点で男の行動と特定の政治団体や外国組織との関係は確認されていない。
「単独行動の可能性が高いが、今後も慎重に捜査を進める」としている。
また、男の精神状態や過去の通報歴についても調査が行われており、必要に応じて精神鑑定が実施される可能性がある。
コメント