【政治】高市首相、スパイ防止法の検討を本格化 国家情報局創設案も浮上

高市早苗首相が率いる新内閣は、国家安全保障体制の強化を目的として「スパイ防止法」の検討を本格化させた。政府関係者によると、国家機密の漏洩防止と外国勢力による情報活動への対抗を柱とする法制度の整備を進める方針で、今後の国会審議で具体的な立法化に向けた動きが注目される。

■ 国家情報局の創設構想が議論の軸に

今回のスパイ防止法検討は、高市首相が国家安全保障会議(NSC)で提示した「国家情報局(仮称)」創設構想と連動している。

同構想は、防衛省・外務省・警察庁などに分散している情報収集機能を一元化し、外国政府や組織による諜報活動、機密情報の不正取得を防ぐことを目的とするもの。

政府関係者は「現行法では防止できない情報漏洩リスクがある」として、欧米諸国が導入しているスパイ防止関連法を参考に、国内向けの包括的な制度設計を急ぐ考えを示した。

■ 与党内で法案推進を明記

自民党と日本維新の会は24日、党内会合でスパイ防止法に関する検討会を設置することで合意。

両党は、外国勢力による機密情報の不正流出を防止するため、連立的な協力体制を構築し、来年の通常国会での法案提出を目指す方針を示した。

法案の骨子としては、①国家機密の漏洩を刑事罰の対象とすること、②外国政府などへの情報提供行為を「スパイ活動」として明確に定義すること、③国家情報局を中心とした監視・通報制度の整備――などが検討されている。

一方で、法適用の範囲や捜査権限のあり方については慎重論も根強く、立法過程では国民の知る権利や報道の自由との整合性が焦点となる見通しだ。

■ 賛否双方から意見

与党内では「国家防衛上の法的空白を埋める重要な一歩」として法制化を支持する意見が多数を占めている。

支持派の議員は「日本は先進国の中で唯一、包括的なスパイ防止法を持たない。経済・技術・防衛分野での機密漏洩リスクを放置できない」と指摘。

一方、立憲民主党などの野党や一部の法学者からは懸念の声も上がっている。

反対派は「治安維持法のような運用の拡大によって、取材活動や市民の表現の自由が脅かされるおそれがある」として、慎重な議論を求めている。

SNS(X)上でも、「国家安全のため必要」とする意見と、「人権侵害につながる危険がある」との意見が拮抗しており、社会的な議論が活発化している。

■ 海外でのスパイ防止法との比較

欧米諸国では、スパイ行為に対する法的措置はすでに確立している。

米国では「スパイ防止法(Espionage Act)」が第一次世界大戦中の1917年に制定され、国家機密の漏洩や外国勢力との通謀を厳罰化。

英国でも「Official Secrets Act(国家機密法)」が情報保護の枠組みを明確化しており、政府関係者による情報流出に対して強い抑止効果を持つ。

日本では、特定秘密保護法(2013年施行)が一部の国家機密保護を担っているものの、スパイ行為自体を直接処罰する法律は存在していない。

そのため、政府内では「現行法では潜入型の諜報活動やハイブリッド戦に対応できない」との認識が広がっている。

■ 今後の見通し

政府は、年内にも内閣官房を中心にスパイ防止法の基本方針をまとめる予定。

2026年の通常国会への法案提出を視野に、他省庁や有識者との調整が進められている。

また、国家情報局創設に向けた準備室を設置し、情報共有の効率化や機密管理の運用基準作りにも着手する見込みだ。

高市首相は記者団に対し「国家安全保障の空白を埋めるため、法整備は避けて通れない」と述べ、慎重かつ迅速な議論を進める考えを示している。

■ 世論の動向

主要報道各社の世論調査によると、「スパイ防止法に賛成」と答えた割合はおよそ55%、「反対」は32%、「わからない」が13%。

賛成派の多くは「経済・技術の安全保障が必要」と回答しており、特に若年層では肯定的な意見が増加している。

一方、報道関係者や法曹界からは「運用の透明性と司法的チェックの担保が不可欠」との指摘が出ている。

■ まとめ

  • 高市早苗首相率いる新内閣がスパイ防止法の検討を本格化
  • 自民党と日本維新の会が連立合意で法案推進を明記
  • 国家情報局(仮称)の創設も検討対象
  • 賛否両論が分かれ、SNS上でも議論活発化
  • 2026年通常国会での法案提出を目指す方針

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