映像制作事業などを手掛ける「鉄道総合館」(東京都)は、X(旧Twitter)上で発生していた一連の迷惑行為について、通信事業者のソフトバンク株式会社から発行された「照会事項回答書」により、発信元の契約者がアマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区下目黒1丁目8番1号)であることが明らかになったと発表した。
同館は10月28日、公式Xアカウントを通じてこの事実を公表した。
照会は、東京弁護士会を通じて行われたもので、発信元の電話番号契約者が2021年7月17日から現在まで同社名義で「サービス中」であることを確認する内容。
■ 着払い妨害・著作権侵害の実態
鉄道総合館によると、被害は2025年春頃から断続的に発生しており、同館宛てに着払いで荷物を送りつける行為や、同館が制作した映像素材・写真を無断転載する行為が繰り返されていた。
同館はこれらを威力業務妨害および著作権法違反の疑いがあるとして、弁護士を通じてソフトバンクに照会を依頼したという。
嫌がらせを行っていたとされるのは、「みぞののぞみ」を自称する人物。さらに「同人サークル・みぞの青春団」を名乗る別の団体も、同館の著作物を無断転載するなどの行為を繰り返していた。
鉄道総合館によれば、「同一人物と見て間違いない」という。
被害は深刻で、同館はあしたの経済新聞の取材に対し、次のように語った。
「着払いの荷物代は支払っていませんが、返品手続きなどで約2万円の通話料が発生しました。さらに、YouTubeチャンネルでは虚偽の著作権侵害通報を受け、再生数が激減し約30万円の収益損失が出ました。精神的にも疲弊し、眠れない日が続いています」
同館は、弁護士法人を通じて対応を検討中で、「弁護士や警察に相談しても『立証が難しい』として取り合ってもらえなかった。報道によってアマゾン側も無視できない状況になることを期待している」としている。
■ 中止となった“記念ライブ”と殺害予告メール
問題は嫌がらせ行為にとどまらない。
10月1日に同館が実施予定だった「東京臨海高速鉄道りんかい線・新型車両71-000系デビュー記念車内ライブ」が、鉄道総合館宛に届いた殺害予告メールにより中止されたことも確認された。
当初、YouTube上では「緊急のお知らせ」と題した動画(https://youtube.com/watch?v=KbNUQ8S9avk)が公開され、関係者による中止説明が行われていた。
同館は取材に対し、「この動画の件には、みぞののぞみ、またはその関連団体が関与している可能性が高い」との見解を示している。
■ アマゾン側は沈黙 業務妨害の疑い濃厚
編集部では、アマゾンジャパン合同会社に対し、「みぞののぞみ」と称する人物との関係、ならびに照会回答書に記載された契約状況について書面での取材を申し入れたが、期日までに回答はなかった。
鉄道総合館側の代理弁護士による通知書送付にも、同社からの応答はないという。
鉄道総合館は今後、損害賠償請求および刑事告訴を視野に入れて対応を進める構えを見せている。
同館代表は、「業務を続けながらの対応には限界がありますが、創作活動を妨げられることだけは許せません」と話す。
インターネット上での“嫌がらせ”が現実の損害や事業停止に発展するリスクは、いまや中小クリエイターのみならず、企業社会全体が直面する新たな課題となっている。
※この記事は、あしたの経済新聞オリジナル編集部が独自取材および照会文書の確認を経て構成したものです。
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