
ロシア外務省は11日、日本政府による対ロシア制裁に対する報復として、日本人30人に対しロシアへの無期限入国を禁止すると発表した。今回の措置は、学術研究や報道分野に関わる人物を中心に含むもので、外交関係のさらなる冷却化が懸念されている。
ロシア外務省が公表したリストには、外務省の北村俊博報道官のほか、ロシア政治・経済研究を専門とする国内大学教授8人、新聞社や通信社などの報道関係者16人の名が含まれている。研究者の中には、ロシアとの学術交流を通じて現地の安全保障情勢や文化政策を研究してきた人物も多く、学問分野への影響が避けられないとみられている。
同国は声明の中で、「日本がロシアに対して非友好的な行動を継続しているため、対抗措置を取らざるを得ない」と主張。これに対し日本の外務省は同日、「国際交流と報道の自由を制限する行為であり、極めて遺憾」との抗議声明を発表した。
今回の発表は、ロシアが西側諸国への報復制裁を強める動きの一環であり、直近では欧州連合(EU)加盟国の外交官や研究機関職員にも同様の措置が取られている。専門家の間では、「日本に対する入国禁止リストの拡大は、ロシアが情報発信のコントロールを強化する狙いがある」との見方が強い。
また、報道関係者の入国禁止は、現地取材の制限を意味し、ロシア国内の動向を直接確認することが難しくなる。特に、ウクライナ情勢やロシア経済の制裁下での実態を追う日本メディアにとって、大きな打撃となる可能性がある。
両国関係は北方領土問題などを含め、すでに緊張状態にあるが、今回の発表はその関係悪化を象徴する新たな局面といえる。外交筋からは、「対話のチャンネルがますます狭まり、平和条約交渉の実現は一段と遠のく」との懸念も出ている。
曇りがち
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