X(旧Twitter)やThreads、BlueskyといったSNSでは近頃、ByteDance が展開する報酬型サービス TikTok Lite へのリンクが、半ば無秩序に拡散される状況が続いている。
表向きは「ポイ活」「お得情報」「続きはこちら」といった無害そうな文言が並ぶが、実態としては紹介報酬を得ることのみを目的としたリンク誘導であり、投稿内容との関連性が全くないことがほとんどだ。
中には、閲覧者の注意力低下や興味本位を利用した、フィッシング詐欺と酷似した構造を持つものも確認されている。
このような状況下で重要になるのが、「怪しいリンクを見分ける」こと以上に、「そもそも視界に入れない」ための設定と運用である。
X(旧Twitter)における最も実効性の高い遮断方法
Xでは、ユーザー自身がタイムラインの内容をかなり細かく制御できる仕組みが用意されている。
特に有効なのが、キーワード単位で投稿や返信を非表示にするミュート機能だ。
設定画面のプライバシー関連項目からミュート設定へ進むと、特定の単語や文字列を登録できる。
ここに「TikTok」「TikTok Lite」「lite.tiktok.com」といった文字列を設定することで、それらを含む投稿や返信は、タイムラインや通知欄に表示されなくなる。
この方法の利点は、フォロー・非フォローに関係なく作用する点にある。
バズ投稿の返信欄に突然現れる誘導リンクや、トレンドに便乗したポイ活投稿も、自動的に視界から消えるため、誤って踏んでしまうリスクを大幅に下げられる。
さらに、同じリンクを繰り返し貼り付けるアカウントについては、アカウント単位でのミュートやブロックを併用することで、学習型アルゴリズム上も表示頻度が低下していく。
これは単なる感情的なブロックではなく、情報環境を整えるための実務的な操作と捉えるべきだろう。
Threadsでは「踏まない前提」を作ることが最優先
Meta社が運営する Threads は、設計思想として「発見型フィード」を重視しているため、Xのような詳細なキーワードミュート機能は現時点では限定的だ。
そのためThreadsでは、TikTok Liteリンクを完全に技術的に遮断するというより、「表示されにくくする」「自分の行動を学習させない」ことが重要になる。
具体的には、誘導リンクを含む投稿に対して「興味がない」という評価を積み重ね、同種の投稿が推薦されにくい状態を作ることが有効とされている。
また、ポイ活リンクを頻繁に貼るアカウントを見つけた場合、そのアカウント自体をミュートすることで、フィード全体の傾向が徐々に変化していく。
Threadsにおいて特に注意すべきなのは、「プロフからリンクを踏ませる」構造だ。
投稿自体には直接URLを載せず、プロフィール欄のリンク集サービスを経由させることで、利用者の警戒心を下げる手法が多用されている。
このため、Threadsでは「外部リンクは原則踏まない」「どうしても必要な場合は公式サイトから直接アクセスする」という行動原則を持つことが、結果的に最も確実な防御策となる。
Blueskyは比較的“防御しやすい”SNSである
分散型SNSとして利用者を増やしている Bluesky は、リンク遮断という観点では他のSNSよりも柔軟性が高い。
Blueskyでは、特定のドメインや文字列を含む投稿を非表示にする設定が可能であり、「tiktok.com」や「lite.tiktok.com」をミュート対象として登録することで、関連リンクをほぼ完全に遮断できる。
この機能は、短縮URLや独自ドメインを使ったリダイレクト型誘導に対しても一定の効果を持つ。
不審なURLを見かけた際に、その文字列を追加していくことで、将来的な再遭遇の確率を下げることができるからだ。
Blueskyはモデレーションを「ユーザーが設計する」という思想を持つSNSであり、ポイ活誘導のようなノイズを排除するには、比較的相性の良い環境と言える。
なぜ「ブロックする」という選択が重要なのか
TikTok Lite自体は合法的なサービスであり、正規のキャンペーンも存在する。
問題は、それをSNS上で拡散する際の手法が、利用者の誤認や衝動的行動を前提として設計されている点にある。
「続きはこちら」「この後衝撃展開」といった文言とリンクを組み合わせる行為は、情報の補足ではなく、注意力を奪うための装置に近い。
そのリンクが公式ドメインであったとしても、利用者の意思決定を歪める構造である以上、健全とは言い難い。
そのため、リンクを見分ける努力だけでなく、「そもそも目に入らない環境を作る」ことが、現代SNSにおける現実的な自己防衛となる。
SNSは“選別して使う時代”に入っている
SNSはもはや、すべての情報を受け取る場所ではない。
不要な誘導、誤解を生むリンク、意図不明のポイ活投稿を排除し、自分に必要な情報だけを残す作業が前提となっている。
TikTok Lite誘導リンクを遮断する行為は、特定のサービスを否定することではなく、自分の判断を他人の収益構造に委ねないための選択だ。
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