東京都港区赤坂のサウナ店で昨年12月、利用中の夫婦が死亡した火災を巡り、現場となった個室サウナのドアノブが、火災前に少なくとも2回交換されていたことが捜査関係者への取材で分かった。さらに、店内の別室でも内側のドアノブが外れ、利用者が一時閉じ込められるトラブルが発生していたことも判明。安全管理体制に重大な疑義が浮上している。
火災は令和7年12月、港区赤坂のサウナ店「サウナタイガー」で発生。室内で美容院を経営していた松田政也さんと妻の陽子さんが死亡した。警視庁によると、サウナ室の木製ドアノブが外れ、2人が室内に閉じ込められた可能性が高いとみられている。
その後の捜査で、問題の部屋のドアノブは過去に少なくとも2回交換されていたことが判明した。さらに、店内では他の部屋を含め少なくとも5か所のドアノブに交換の形跡が確認されているという。
加えて、今回の火災以前にも別の部屋でサウナ室内側のドアノブが外れ、利用者が一時閉じ込められる事案が発生していたことが明らかになった。この際は、外にいた別の利用者がドアを開けたことで重大事態には至らなかった。
運営会社社長は警視庁の任意聴取に対し、「業者から安全性の観点で押戸タイプへの交換を提案されたが、前社長に相談したところ『密閉性が保てなくなる』として見送られた」と説明しているという。仮にこの証言が事実であれば、安全性よりも施設の密閉性や営業上の事情を優先した可能性が浮かび上がる。
警視庁は業務上過失致死の疑いも視野に、設備管理の経緯や当時の状況を慎重に調べている。
薄い雲


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