マクドナルドの店舗が、市内の中学校2校の生徒同士について入店を制限する貼り紙を掲示している問題をめぐり、福岡市教育委員会が初めて公式見解を示した。本紙は教育委員会の担当者に独自取材を行い、経緯と今後の対応について確認した。
貼り紙掲示は「2025年10月初め」 店舗から学校へ連絡
教育委員会の担当者によると、店舗側から学校へ貼り紙掲示の連絡があったのは2025年10月初め。教育委員会として掲示内容は把握しているという。
2校のうち一方については、店舗側から「店内で騒ぐ」などの報告があり、学校側が事実確認を実施。その上で、全校生徒に公共マナーに関する注意喚起を行ったと説明した。
もう一方の学校については、入店制限の状況自体は把握しているものの、現時点で具体的な行為者の特定には至っていないという。店舗側にも確認を求めているが、詳細な回答は得られていないとしている。
生徒指導は複数回 保護者にも連絡済み
学校側はこれまでに複数回のマナー指導を実施。迷惑行為や公共の場での振る舞いについて、全校生徒に対して注意喚起を行ってきた。保護者への連絡についても「実施済み」と説明。担当者は「人格形成の重要な時期であり、学校として指導は継続している」と述べた。
「致し方ない面がある」一方、学校名掲示には複雑な認識
今回の入店制限措置について、教育委員会の担当者は「致し方ない面がある」との認識を示した。
その一方で、事案の特定の有無にかかわらず、学校名が貼り紙に明記されていることについては複雑な受け止めがあると説明。無関係な生徒への影響についても注視しているとした。子どもが不安を感じたり傷ついたりするような事態が確認された場合は、教育委員会として対応していく考えを示した。
初めての事案 教育委員会が調整役として協議へ
担当者は、今回のように店舗側が入店制限を掲示するケースは「初めての事案」だと説明。前例がない中、学校・地域・店舗のどこが主導して整理すべきかも含め、対応の進め方を模索している状況だという。
本紙が、制限解除に向けた条件の整理や、無関係な生徒への配慮について「教育委員会が間に入り、店舗側と協議の場を持つ必要があるのではないか」と提案したところ、担当者は謝意を示し、「関係のない生徒や地域のことを考えると、協議は必要になる」との認識を示した。
教育委員会としては、今後店舗側との話し合いを継続する方向で検討している。
担当者は、店舗が入店制限という判断に踏み切った背景には相応の事情があったとみられるとしながらも、学校だけでは整理しきれない論点もあると説明。教育委員会が調整役となり、学校・地域・店舗の間で着地点を探る必要があるとの姿勢を示した。
公共空間の安全と生徒指導 問われる行政の役割
今回の事案は、店舗側の安全確保と営業判断、学校側の生徒指導、そして教育委員会の調整機能という三者の課題が交差する問題だ。
教育委員会は、店舗側の判断に一定の理解を示しつつ、学校名掲示や無関係な生徒への影響にも配慮する立場を取る。
今後、行政がどのように調整機能を果たし、制限解除を含む具体的な整理を示せるのか。その対応が注目される。
曇りがち

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