誤送金トラブル拡散 PayPay返金義務巡り波紋 手数料差引きは許されるのか

スマートフォン決済サービスを巡る“送金ミス”が、思わぬ論争を呼んでいる。

交流サイト「X」で拡散された投稿では、PayPayを通じて5000円を誤って送金した利用者が、返金を求めたところ、受取側が4999円のみ返金した様子が確認された。投稿者は「手数料が引かれた」と主張し、対応の是非を巡って議論が広がっている。

さらに別の投稿では、面識のない相手から送金を受けた利用者が、返金を求められたうえ「応じなければ法的手段を取る」との連絡を受けたとされ、利用者間のトラブルの実態も浮き彫りとなった。

こうした中、誤送金に応じない場合の法的責任や、返金時の手数料控除の可否について関心が高まっている。

返金拒否は「不当利得」 場合によっては刑事責任も

都内の弁護士は取材に対し、「誤送金であることを認識しながら返金に応じない場合、民法上の不当利得に該当する可能性が高い」と指摘する。

民法703条は、法律上の原因なく利益を得て他人に損失を与えた場合、その利益を返還する義務があると定めている。誤送金は典型的な不当利得とされ、受取人には原則として全額返還義務が生じる。

さらに同弁護士は、「誤送金と知りつつ返還を拒み続ける態様によっては、占有離脱物横領罪(刑法254条)が成立する余地もある」と述べ、刑事責任に発展する可能性にも言及する。

もっとも、単に返金を巡って交渉が長引いている段階では直ちに犯罪とはならず、個別事情の検討が必要とされる。

「手数料分だけ差し引き」は認められるか

今回の騒動で特に議論を呼んでいるのが、返金時に手数料分を差し引くことができるかという点だ。

これについて前出の弁護士は、「原則として、誤送金の返還は“受け取った額そのまま”が基本であり、受取側の都合で一部を差し引くことは認められない」と話す。

その理由として、「誤送金は送金者のミスではあるが、受取人に利益を保持する正当な理由はないため、全額を返還するのが法的原則となる」と説明する。

一方で、「送金の取り消しや返金に際して実際に第三者手数料が発生した場合、その負担をどちらが負うかは当事者間の合意による」とし、例外的に協議で分担が決まる余地はあるとした。

利息請求は原則困難 悪意があれば別

では、誤送金の返還に際し、利息を付けて返す必要はあるのか。

この点については、「通常は利息を付ける義務までは生じない」との見解が示されている。

ただし、受取人が誤送金と知りながら長期間返還を拒み、結果として送金者に損害が発生した場合には、遅延損害金の請求が認められる可能性があるという。

弁護士は「誤送金と分かった時点で速やかに返すことが、無用な紛争を避ける最善策だ」と指摘する。

個人間送金のリスク浮き彫り

キャッシュレス決済の普及により、電話番号やIDのみで簡単に送金できる利便性が高まる一方、今回のような誤送金トラブルも増加傾向にある。

専門家は「送金前に相手を十分確認することが重要であり、誤送金が発生した場合は速やかに連絡と返金対応を行うことがトラブル回避につながる」と呼びかけている。

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