【独自】新城高校いじめ「多数対一」と認定 所見書は非公開 被害者側は公開要求

神奈川県教育委員会は2026年3月25日、神奈川県立新城高等学校で発生したいじめについて、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態と認定し、第三者委員会の調査報告書を公表した。被害生徒と保護者が提出した所見書は公表されていない。

報告書では、吹奏楽部内で複数の生徒が一人の生徒に対して行った行為について、写真撮影や寄せ書きからの除外、欠席理由の執拗な追及などを「多数対一のいじめ」と認定した。加害生徒による副顧問への働きかけも含め、複数の生徒の関与があったとしている。

さらに、学校側が当初いじめとして扱わず生徒同士の話し合いを設定したことが、被害生徒のうつ状態や長期不登校の契機となった可能性があると指摘している。

本件は2024年8月、吹奏楽部内の人間関係をめぐる問題として発生した。保護者がいじめを通報したが、学校側は当初いじめと認定せず、ケース会議を開かないまま対応を進めた。

被害生徒・保護者側から提供された所見書および取材によると、学校対応について、加害側の説明が十分に検証されないまま採用されたとする点や、被害生徒に対して否定的な発言が繰り返された点などが記されている。校長らが「加害も被害もない」との認識を示していたとされ、これが被害生徒の立場をさらに不利にしたとする見方が示されている。

所見書は、学校対応全体を被害生徒を孤立させる「排除の過程」と位置付けている。

また、学校側が作成した記録について、事実と異なる記載や矛盾が多く指摘されており、議事録を含め記録の信頼性に疑問があるとされている。

生徒はその後、不眠やフラッシュバック、味覚障害、円形脱毛など複数の深刻な症状を発症した。校内では孤立し、別室での生活を余儀なくされたほか、噂の拡散により校外にも影響が広がった。

所見書の中で生徒本人は、「約1年6か月、572日間にわたり生活に影響が続いた」と記している。長年続けてきた吹奏楽についても、特定の曲を聞くだけで強い反応が生じ、演奏への意欲が失われたとする記述がある。

保護者は、関係者による謝罪や学校の判断の総括、加害側への指導を求めている。その過程で、前校長および前副校長から謝罪があった。内容は「これまでの対応はすべて間違っていた」とする強いものだった。

しかし直後に「できることには限界がある」「もう終わったこと」との説明が示され、強い謝罪の直後に終結が告げられた形となっており、保護者側は実質的な是正や責任の総括が伴わないまま問題が区切られたと受け止めている。そのうえで保護者は、所見書について学校関係者や生徒への共有、すなわち公開を求めている。

重大事態調査では、被害者や保護者が所見書を提出できるが、公表の可否は自治体の判断に委ねられている。

神奈川県教育委員会 教育局支援部学校支援課および県立学校生徒指導グループは、
「個別事案については関係者のプライバシー保護の観点から公表しておらず、所見書を含め回答は差し控える」としたうえで、「再発防止については学校に対し必要な指導を行う」としている。 報告書は公表されたが、所見書は公表されていない。被害者側は公開を求めており、調査結果の共有と責任の取り方が十分だったのかが問われている。

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