
東京発 — 公明党は2025年10月10日、自民党との連立政権からの離脱を正式に通告した。これにより、1999年(第1次)および2012年以降継続してきた自公連立体制は破綻し、26年にわたる政治的枠組みが幕を下ろした。
離脱の経緯と動機
公明党代表の 斉藤鉄夫 は、自民党との会談の席上で、政治資金規制の強化をめぐる溝が埋まらなかったことを離脱の主因として挙げた。「政治とカネ」問題を重視する公明党としては、自民側の対応を不十分と判断したという。
斉藤氏はまた、首班指名選挙において自らの名前を書く意向を示し、国政選挙における自民との協力も一旦白紙とする方針を明らかにした。
一方、自民党側は離脱の通知を「一方的」と受け止めており、高市早苗総裁は記者団に「大変残念だ」と述べた。
影響と今後の焦点
この離脱は、日本の政局に大きな地殻変動をもたらす。以下が主な影響と論点である。
1. 与党基盤の壊滅と新連立の模索
自民党はこれまで、公明党の票と選挙支援を与党の安定基盤としてきた。しかし公明を失ったことで、両院において過半数を確保できない「少数政党」体制に転じる可能性が高まった。
そのため、自民党は新たな連立相手の獲得を急がねばならない。報道では、国民民主党(DPFP)や日本維新の会などとの協調が選択肢に浮上している。
2. 首相・閣僚指名選挙の遅れ
本来は10月15日に予定されていた首相指名選挙が、連立交渉の混乱を受けて延期される可能性があるとの見方が出ている。 また、公明は自民の候補ではなく自党の代表名を書く方針を示しており、首相指名においても自民の支持を取りまとめる力が落ちる。
3. 政治資金規制を巡る議論
公明党が離脱の主要因とした「政治とカネ」の問題は、国民の信頼を左右するテーマだ。公明党は、企業からの寄付を党本部・都道府県支部に限定し、議員個人の政治団体への寄付を禁止するような規制強化案を以前から提起しており、これを自民党に求めてきた。 自民党側は、既得利益や資金源への影響を懸念して慎重姿勢を示してきたとされる。
この離脱を契機に、政治資金・政党助成金制度、透明性強化、選挙制度改革などの議論が一気に加速する可能性がある。
背景:弱体化していた自公政権
今回の決断は、現在の政権基盤の脆弱性と不祥事への国民の不満を反映している。
- 2025年7月の参議院選挙では、自公連合は上院で過半数を維持できなかった。
- 2024年の衆議院選挙でも、与党が過半数を確保できず、少数政党体質が強まっていた。
- また、2023~2024年に報じられた自民党をめぐる流用的な政治資金スキャンダルは、自党の信頼性を大きく揺るがした。
こうした中、新体制を担うことになった自民党総裁・高市早苗に対する警戒感も、公明党との亀裂を拡大させる要因になったと分析されている。
見通し:混迷する政治と対応の鍵
- 新しい連立構図の模索
自公が分離した後の選択肢として、自民党は複数の中小政党との連携を探る必要がある。ただし、政策調整・主導権争いも避けられない。 - 法案・予算の通過が困難に
国会運営において多数派を欠くため、予算案や重要法案成立が難航する恐れがある。野党との妥協や協調が不可欠となる。 - 政治資金制度改革の行方
公明党の訴えを契機に、政治献金・政党助成金制度の抜本改革が議論の焦点になる。ただし、既存政治構造を変える抵抗勢力も強い。 - 選挙の影響
次の国政選挙において、公明党の選挙支援を失った自民党の選挙戦略は大きな打撃を受ける可能性がある。また、公明も独自路線を打ち出すことが予想される。
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