中国政府、高市首相選出を速報 歴史問題や外交姿勢への注視強める

中国の主要国営メディアは2025年10月21日夜、日本で高市早苗氏が新たに首相に選出されたことを速報で伝えた。報道では、高市氏が日本初の女性首相として誕生した点を強調しつつ、「歴史問題への対応」や「中日関係の今後の行方」に注目する論調が相次いだ。

国営メディアが一斉報道「日本の政治に新たな局面」

国営新華社通信や中央テレビ(CCTV)は、「日本で初の女性首相が誕生」との見出しで速報を配信。新華社は「高市氏は保守色が強く、安全保障政策で対中警戒姿勢を強めてきた政治家」と紹介し、就任後の外交方針に注視する姿勢を示した。

また、環球時報(Global Times)は論評で「日本国内の保守層結集が進む中、対中政策が一層厳格化する可能性がある」と分析。一方で「経済や貿易の分野では現実的協調を模索する余地も残されている」として、経済交流維持の重要性を指摘した。

「歴史認識問題」が再び焦点に

中国政府はこれまでも、日本の政権交代時に歴史認識問題や靖国神社参拝などの姿勢を注視してきた。高市氏は過去の発言で「日本の主権を守るための安全保障体制の強化」を掲げる一方、歴史認識については「外交問題化すべきでない」との立場を取っている。この発言が中国側で「歴史問題を軽視するもの」として批判を受ける可能性も指摘されている。

中国外交部の報道官は21日夜の会見で、「中国は日本の新政権と建設的な関係を望む」と述べた上で、「歴史を正しく認識し、平和的発展の道を歩むことを期待する」と強調。具体的な評価は避けつつも、外交姿勢に一定の警戒感をにじませた。

経済協力への期待と懸念

一方で、経済面では現実的な協力関係の維持を求める声が中国国内からも出ている。中国商務省系メディア「第一財経」は、「日中貿易は依然として相互依存の度合いが高く、政権交代によって貿易・投資環境を不安定化させるべきではない」と報道。特に半導体や観光分野では、両国の協調が不可欠であると指摘した。

日本の経済政策についても、「円安基調の継続が中国企業にとって輸出競争力の圧力になる」との分析がなされており、中国内でも「高市政権下での金融政策・物価対策」が注目されている。

「防衛強化」と「対米協調」に警戒感

中国の専門家やシンクタンクでは、高市政権の外交・安全保障方針が「日米同盟のさらなる強化」につながるとの見方が強い。中国社会科学院日本研究所の王鍵研究員は、「高市氏は防衛力増強や反撃能力の保持を支持しており、台湾有事を想定した日米連携の強化が進む可能性がある」と指摘した。

このため、中国国内メディアの一部では「高市内閣が発足すれば、日中間の政治的摩擦が再び高まる」との懸念も報じられている。とくに東シナ海や尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる安全保障上の緊張が再燃する可能性が指摘されている。

SNS上で広がる反応と世論の温度差

中国版SNS「微博(ウェイボー)」では、「日本も女性指導者の時代に入った」「強いリーダーシップに期待する」といった好意的なコメントが見られる一方、「歴史問題を無視してはならない」「日本の右傾化が加速する」との批判的な声も多い。

中国国内では、日本との関係を「競争と協調の両面構造」として捉える傾向が強く、ネット上では「経済では協力、政治では警戒」という現実主義的な意見が目立った。

日中関係の今後

日本側では、高市新政権が発足後に中国との対話をどのように再構築するかが焦点となる。特に、経済安全保障や気候変動対策、人権問題など、多層的な課題で意見の相違が続く中、首脳間の直接対話が早期に実現するか注目されている。

専門家の間では、「高市氏の保守的立場が国内政治的には支持を得る一方、対中関係ではバランス外交が求められる」との見方が広がっている。

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