名古屋市南区で乳幼児姉妹を7時間放置 生後3カ月の次女が重傷 内縁の夫婦を保護責任者遺棄の疑いで逮捕

名古屋市南区で、内縁関係にある男女が1歳と生後3カ月の実子2人を自宅に約7時間放置したとして、愛知県警南署は保護責任者遺棄の疑いで逮捕した。事件は2025年7月8日に発生し、放置された次女が頭蓋骨骨折の重傷を負っていたことが分かっている。姉妹は現在、児童相談所の一時保護措置を受けており、警察は虐待の可能性も視野に捜査を進めている。

捜査関係者によると、逮捕されたのは名古屋市南区在住の20代の男女。2人は当日昼前から外出し、夜まで帰宅しなかった。帰宅後に次女の様子が急変しているのに気づき、救急通報したが、病院での診察の結果、頭蓋骨に骨折と出血が確認された。医師から「事故とは考えにくい」との通報を受け、警察が調べを進めていた。

夫婦は警察の調べに対し、「少しの間なら大丈夫だと思った」「寝ていたので起こしたくなかった」と供述しているが、外出の目的や放置の経緯には一部不自然な点があり、警察は児童虐待やネグレクトの常習性を含め、慎重に裏付けを進めている。自宅はアパートの一室で、冷房が切られたままの状態だったことも確認された。

当時、気温は30度を超える真夏日で、室内の温度も上昇していたとみられる。近隣住民によると、「子どもの泣き声が長時間聞こえた」「以前から夫婦の口論があった」といった証言も寄せられている。警察はこうした近隣の情報をもとに、家庭内での育児放棄や暴力の有無についても捜査している。

名古屋市の児童相談所は、7月上旬にこの家庭からの通報を受けておらず、今回の事件を受けて「警察との連携をさらに強化し、早期発見体制を見直したい」とコメントした。姉妹は現在、親族および一時保護施設で安全が確保されており、専門医のもとで治療とケアを受けているという。

一方、警察によると、夫婦の経済状況は不安定で、父親は定職に就かず、母親も家事と育児を一人で担う日が多かったとされる。近年、名古屋市内ではこうした「孤立育児」による虐待・放置事件が相次いでおり、2024年度には児童虐待相談件数が前年比で約1割増加している。専門家は「育児疲れや経済的困窮が背景にあっても、子どもを一人にすることは絶対に許されない」と警鐘を鳴らす。

愛知県警は今後、夫婦双方の責任の度合いを明らかにするため、外出先の行動履歴や防犯カメラ映像、携帯電話の位置情報などを精査する方針。事件の詳細な経緯が明らかになり次第、検察庁に送致される見込み。

事件を受け、名古屋市は「子育て世帯への支援と地域見守り体制を再点検する」と発表。地域の保健師らによる家庭訪問や、SNSを活用した相談窓口の拡充も検討されている。社会全体で児童の安全を守る体制の構築が、改めて問われている。

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