
大手牛丼チェーン「すき家」で、子連れの親が深夜の入店を拒否されたとしてSNSに投稿した内容が拡散し、11月8日までに1万件を超えるエンゲージメントを集めている。投稿はX(旧Twitter)上で瞬く間に話題となり、子どもを伴う夜間外出と企業側の対応の是非をめぐって賛否が広がった。
投稿によると、母親は小学生の子どもを連れて夜10時過ぎにすき家を訪れたが、店員から「22時以降は未成年者の店内飲食はできません」と入店を断られたという。母親は「ただ食事を済ませて帰りたかっただけ」と憤りを示し、X上に経緯を投稿した。これに対して「ルールだから仕方ない」「安全のための措置」と擁護する声が多数寄せられた一方で、「深夜でも事情がある家庭もある」「一律に断るのは冷たい」と批判的な意見も相次いだ。
すき家を運営するゼンショーホールディングスは、全店舗で22時から翌5時までの時間帯における「未成年者の店内飲食禁止ルール」を定めている。この方針は、深夜帯に発生するトラブル防止や、青少年健全育成条例、さらには従業員の安全確保を目的としたもので、他の大手外食チェーンでも同様の運用がなされている。持ち帰り利用は許可されており、店側は「食事提供を拒否したわけではない」と説明している。
一方、SNS上ではこの「ルール運用の厳格さ」について意見が二分している。肯定派のユーザーは「夜に子どもを連れ出すのは親の責任」「企業が法律に従って運営しているだけ」と支持する立場を示した。一方で、否定派からは「仕事で帰宅が遅れる親もいる」「子育て世帯への理解が足りない」との声も寄せられた。
特に注目を集めたのは、投稿に対して自治体関係者や教育関係者が言及した点だ。ある地方自治体の職員は、「未成年者の深夜外出を制限する条例は全国的に存在する。だが、運用は地域差が大きく、生活環境の多様化に合わせた柔軟な対応が求められる」とコメント。教育関係者の一人も「子どもの健康を守る観点からは妥当だが、家庭の事情を汲み取る仕組みが必要」と指摘した。
また、今回の件を受け、他の飲食チェーンやコンビニエンスストアの対応にも注目が集まっている。大手ファストフード各社では、未成年者の深夜入店を制限するケースが増えており、企業の社会的責任と地域安全の両立が課題となっている。
一方で、すき家の現場スタッフからは「お客様に直接お断りするのは心苦しいが、店舗判断ではなく会社方針として徹底されている」との声も上がる。SNS上では「店員が責められるのはおかしい」「制度の問題を個人にぶつけるべきではない」と店員への理解を求める意見も広がっている。
今回の議論は単なる接客トラブルにとどまらず、社会全体の“夜間社会との付き合い方”を問うテーマに発展しつつある。SNS上では、「深夜でも働く親を支える社会構造の整備こそ必要」といった意見もあり、生活時間の多様化を反映した制度設計の議論が今後の焦点となりそうだ。
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