ソフトバンクG、エヌビディア株を全売却 約58億ドルの利益計上へ 生成AI分野への再投資視野に

ソフトバンクグループ株式会社(SBG)は11日、同社が保有していた米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の株式32億1,000万株を、総額58億3,000万ドル(約8,800億円)で売却したと発表した。今回の売却により、同社は大規模な資産現金化を実施し、財務基盤の強化と次世代AI分野への再投資を視野に入れた戦略的転換を図る。

この売却は、2025年10月末までに実行されており、2026年3月期第2四半期(4〜9月期)の決算には反映されないものの、同年度下期または次期にかけて約58億3,000万ドルの売却益が計上される見通し。SBGが11日に公表した資料によれば、同期間の純利益は前年同期比2.9倍の2兆9,240億円に達しており、エヌビディア株の売却はその流れを後押しする格好となった。

エヌビディアはAI向けGPU市場で世界的なシェアを持つ企業であり、生成AIの急拡大を背景に株価はこの1年で急上昇。SBGは早期の売却判断により、過去最高水準の利益を確保した。一方で、今回の売却益は単なる資金回収ではなく、SBG傘下の英アーム(Arm Holdings)への追加出資や、OpenAIなど生成AI関連企業への戦略的投資資金として再配分される可能性があるとみられている。

孫正義会長は、2025年上半期決算説明会で「AI革命の中心に立つ」と明言しており、今回のエヌビディア株売却は、同グループがAIインフラおよび半導体分野で再びリスクテイクを強化する布石との見方が強い。

ソフトバンクグループは、2010年代におけるアリババ株の売却で得た利益を「Vision Fund」へ投資し、巨大テクノロジーファンドを形成した前例を持つ。今回の売却もまた、AI産業の第二波を見据えた資金戦略の一環とされる。

市場関係者の間では、「SBGがエヌビディアを手放した背景には、短期的な資金調達とAIエコシステム内での再ポジショニングの両面がある」との見方が広がっている。

また、SBGが保有していたエヌビディア株は、同社の過去の投資案件の中でも有数の含み益を生んでいた資産であり、その全売却は「次の10年」に向けた事業構造転換の意思表示とも受け止められている。AI関連の株式投資における次の一手としては、Armのシェア拡大支援およびAIチップ分野での合弁・提携強化が焦点となる見通しだ。

国内外の証券アナリストの一部は「エヌビディアの株価上昇余地は依然あるが、SBGは資金効率を優先した。これは同社らしい“先手の撤退”だ」と指摘している。

売却後のSBGの保有株ポートフォリオは、通信・AI・半導体・ロボティクス領域に一層集中する見込みで、今後の投資方針は「AIによる社会基盤変革」をテーマとした長期戦略に基づく方向性が明確化している。

SBGの広報担当者は「売却益の活用先は現時点で確定していないが、グループの将来価値向上に資する事業に重点配分する」とコメントしており、近く中期経営計画に反映される可能性がある。

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