UFC・ONE・RIZINを中心に競技人口が増加し、アジア圏の存在感が急上昇
世界の総合格闘技(MMA)シーンが、2025年に入りさらに規模を拡大している。アメリカ最大手のUFC、アジアを中心に急成長するONE Championship、日本のRIZINなど主要プロモーションは、年間イベント数を増やし、新規地域での開催も積極化している。競技人口も増加傾向にあり、アジア圏の選手が世界タイトル戦線に進出するケースも多く、MMAはかつてない広がりを見せている。
UFCは年間40イベントを超えるスケジュールを維持しつつ、タイトル戦線では複数階級で新王者が誕生。選手層の若返りが進み、20代前半の新鋭ファイターが上位ランカーに台頭している。トレーニング技術の進化に伴い、デビュー直後から高い総合力を持つ選手が増え、試合内容も高速化・高精度化しているのが特徴だ。また、女子部門の拡充も進み、世界的人気を持つ女子王者が複数の階級で活躍している。
ONE Championshipでは、MMAに加えてキックボクシングやムエタイを同一イベントで行う独自スタイルが世界的な支持を得ている。計量方法として水分量を管理するハイドレーション制度を採用し、極端な減量を避ける取り組みも注目されている。この制度が競技の安全性向上に貢献しているとして、他団体にも影響を与えている。
日本国内では、RIZINが年末大会を中心に安定した人気を維持。世界的ファイターの参戦、日本の若手選手の台頭などにより、競技レベルが向上している。団体間の選手移籍も活発で、海外で活躍する日本人選手が増え、国内と国外の距離は縮まりつつある。
競技人口の増加も顕著だ。アマチュアMMA、修斗、パンクラス、柔術大会のエントリー数は年々増加し、地域のジムにも若年層を中心に練習生が集まっている。SNSや動画プラットフォームの普及により、試合映像や技術解説が簡単にアクセスできるようになったことも、競技人口拡大の一因とされる。
技術面では、レスリング力の重要性が改めて注目されている。テイクダウンディフェンス、ケージレスリング、トップポジション維持力など、レスリングを軸にした試合運びを強みにする選手が多く、打撃と組み技の融合が高度化している。また、カーフキックや前蹴りなど、ミドルレンジを制する技術が定着し、打撃戦の展開にも多様化が進んでいる。
選手のサポート体制にも変化がある。栄養管理、トレーニング科学、メンタルコーチングなどが一般化し、プロとアマチュアの境界が薄まりつつある。特に減量方法の科学的改善は大きなテーマで、安全性を重視した体重管理が広まりつつある。
MMAの普及はメディアにも影響を与え、選手のSNSフォロワー数は年々増加し、試合外での発信力が重要視されるようになった。選手が自らトレーニング映像や分析動画を投稿するケースも増え、ファンが技術理解を深めるきっかけとなっている。
世界的なMMA人気の高まりにより、今後も大会数・選手層・ファン層の拡大が続くと見られる。競技レベルの上昇、科学的トレーニングの普及、より安全性を重視したルール整備など、MMAは新たな発展段階に入りつつある。
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