【独自取材】熊本の中学生暴行動画がSNS拡散 関係者「リンチの認識ない」「ムカつく」 取材後も新たな映像投稿

熊本県内の中学校に通う生徒とみられる少年が、複数人から暴行を受ける様子を収めた動画が交流サイト(SNS)上で拡散し、波紋が広がっている。動画は、熊本県山都町の山都町立矢部中学校の生徒とされる少年が殴打される場面を含んでおり、ネット上では「集団リンチ」「半グレ関与」などの指摘が相次いでいる。

こうした中、現場に居合わせたとする人物が、匿名を条件にあしたの経済新聞の取材に応じた。取材に応じた人物(以下、A)は、記者から「なぜ集団で暴行に及んだのか」と問われると、「リンチをしたという認識はない。ただのタイマンだった」と説明した。

記者がさらに、「仮にタイマンであったとしても、暴行後の救護義務を怠ったように見える」と指摘すると、Aは「ちゃんと大丈夫かどうかは尋ねた」と述べた。その上で、「これをリンチだと言われるのは正直、むかつく。同意があってやっている」と語り、集団暴行との見方を否定した。

しかし、この取材が行われた後、関係者のものとみられるX(旧Twitter)のアカウントに、被害者とされる少年を殴りつける場面を収めた別の動画が新たに投稿された。記者は10日、Aが使用しているとされるインスタグラムのアカウントを通じて改めて連絡を試みたが、期限までに返信はなかった。

一方、動画をSNSに投稿した別の人物(以下、B)にも取材を行った。Bは、記者から「今回の事案について、半グレグループ『寿』が関与しているとの情報があるが事実か」と問われると、「事実ではない。加害者とされている人物の兄が『寿』というグループに所属しているだけだ」と答えた。

さらに記者が、「その『寿』というグループがどのような活動をしているか把握しているか」と尋ねたところ、Bは「わからない」と述べた。Bはまた、事件当日に現場に居合わせていたかとの問いに対し、「間違いない」と認めている。

動画の内容を巡っては、SNS上で「集団リンチ」との批判が強まっているが、Bは、自身の投稿で「タイマン」と表現した理由について問われ、「タイマンだと考えている」と回答した。記者が、「ネット上で『集団リンチ』『半グレ』といった表現が拡散されていることについて、何か思うことはあるか」と重ねて尋ねたが、「何もありません」と述べるにとどまった。

また、今回の動画拡散によって、日常生活への影響が出ているかどうかについて、「友人からの問い合わせや、警察からの聴取などはあったか」と質問したのに対し、Bは「わかりません」と答えた。記者が最後に「今、何か思うことはあるか」と問いかけたが、この質問に対する回答は得られなかった。

一連の動画拡散を受け、ネット上では事実関係の解明や、未成年が関与する暴力行為への対応を求める声が相次いでいる。警察や学校関係者による説明は現時点で確認されておらず、今後の動向が注目されている。

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